top of page

エピソード4 『ミシェル2 -世界の果て-』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年3月24日
  • 読了時間: 3分

エピソード4

人生に飽きたわけじゃないけど、学校や哲学の勉強に飽きちゃった人は、

大学の中にもけっこういるのよ。

教科書なんか全然持ってこなくなっちゃって、

代わりにコスメばっかりいっぱい持ってきて、講堂でもお化粧してるの。

一人でもそういう人が現れると、インフルエンザみたいに増えていくわ。

ただ素敵な男の人とイチャイチャしたいだけなんでしょうに、

哲学科の生徒ともなると、いちいち理屈をつけるのよ。

「人は皆、『運命の人』を見つけ、結ばれなければならない。」とかいって。

運命の人を探し当てるために、占い師に相談しに行く人まで現れたわ。

哲学の授業中に占星術の本読み漁る人とかね。

哲学って理屈っぽい学問かと思ってたけど、意外と神秘主義者が多いのよ。

そもそも大昔の哲学者なんて、

「世界は火・空気・水・土の4元素から構成されている」

なんて本気で言ってたのよ?

私も化学の勉強なんてろくに覚えちゃいないけど、

元素が20か30あることくらいは知ってるわ。

昔の人は化学なんて知らなかったんでしょうけど、

それにしたって火・空気・水・土の4つだけなんて、バカげてると思わない?

プラトンやアリストテレスだってそんなこと言ってたのよ。

哲学者って、みんな結構オカルトなの。


まぁ占いを頼りたいなら勝手にやってくれればいいんだけど、

私にまでとばっちりが来たのは驚いたわ。

誰に聞いたんだか、私が妖精と話せるって嗅ぎつけた人がいてね、

私に頼んでくるわけ。

「私の運命の人は誰なの?あなたのラズベリーちゃんに聞いてみてよ!」ってね。

ブルーベリーよ!

でも私、ケンカしない主義だから邪険にはしないの。

リリルに尋ねてみるんだけど、リリルはやっぱり答えてくれないの。

言ったでしょ?リリルはこっちから質問したって答えてくれないの。

でも時々は、口出しするときあるのよ。「運命の人」についてもね。

それがなんか、学校の先生だったり親戚の叔父さんだったりするから、

私もその相談者の女の子もビックリよ。


「運命の人かぁ。」

私は講堂の窓際の席からほおづえついて、外のシラカバをながめる。

私も、自分の運命の人が誰なのか、知りたくなってきちゃった。

周りの人たちがみんな夢中になってると、興味を持っちゃうものなのよ。

人間ってそういうものよね。

私、意地張ったりしないの。

もんもんとすることがあるなら、すぐに誰かに尋ねてみるわ。

リリルに聞いてみたの。「私の運命の人って誰なの?」ってね。

案の定、リリルは答えてくれなかったけど。

自分で探すしかないんだわ。はぁあ、また宿題が増えちゃった。

でも私、恋愛に興味が出てきちゃった。ホントにこれ、ゲームみたい。


私、結構モテるのよ?男子に告白されることあるの。

でも誰にも応じないけど。

なんでかっていうと、誰かと誰かが恋愛すると、周りが気まずくなるじゃない?

それが面倒くさいのよ。

隣町の学校の人とかに告白されたら考えたかもしれないけど、

私の場合、学校か秘密基地の人だけだったから。どっちの和も乱したくないの。


『ミシェル2 -世界の果て-』

bottom of page