エピソード5 『イエスの子らよ』
渡された服は、紺色ばっかりの服だったわ。エルサとおそろい。
修道院っていうのは、みんな同じ服を着るのよ。
私にはちょっとブカブカだったけど、まぁいいわ。小さいよりマシ。
修道院では細かいことでモンク言っちゃダメって、お母様が言ってた。
オーダーメイドの服は無いし、高級なクツも無いのよ。修道院は。
エルサは、私を食堂まで案内してくれたわ。
エルサが案内してくれなかったら、きっとたどり着けなかったと思う。
修道院って広いの。学校よりもっと広いのよ。
それにしたって入り組んでるわ。テキトーに造ったんじゃないの?
食堂も大きかったわ。天井は高くないけどね。広いの。
大きなテーブルに、イスがたくさん並んでいるわ。100人は座れそう。
でも今は、誰もいなかったわ。私とエルサ2人だけ。
夕方の5時ですもの。まだ夕飯の時間じゃないんだわ。
私たちの姿に気づくと、キッチンのシスターが、
「手前のイスにお座りなさい。」と言ったわ。
私が「はい」と言うより早く、
エルサが、「はい。かしこまりました」とお上品に言ったわ。
エルサったら、またネコかぶりはじめたのかしら?
すぐに、料理が運ばれてきたわ。約束どおり、オムレツ。
ふぅー!やっとありつけたわ!
私、別にオムレツが大好物ってわけじゃないの。
けど、こんなにじらされたなら、オムレツだってうれしいものなのよ。
オムレツを食べ終えて、少し休んで、体を洗って。
寝巻きに着替えたら、夜は読書の時間なんですって。
図書室があるのよ。エルサに案内してもらって、本を一冊借りてきたわ。
難しい本ばっかり置いてあるの。
最新の流行の本とかは無いの。一番新しいのでも、10年くらい前のなんじゃない?
とにかく、難しい本ばっかりよ。
難しい本読んでると、眠くなるでしょ?だからよ、きっと。
『イエスの子らよ』


