エピソード6 『「おとぎの国」の歩き方』
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- 2023年3月5日
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列車から降りて、なにやらわからず歩いてみると、
少し、ナゾが解けてきた!
さっき入ったのは、「普通(非寝台)車両の3等車」だったんだ。
こっちのほうは、寝台車両が続いてる。
僕はまた、「3」の車両を見つけて乗り込んでみる。
あれ?インドの寝台、けっこうシッカリしてるじゃんか♪
チケットをよく見ると、「63」とか数字が書いてある。
コレたぶん、シートナンバーさ。
僕は、63のシートを探して、キョロキョロしながら歩く。
ようやく63のシートを見つけるけど、
あれ!?また誰か乗ってんなぁ!
今度はきっと、ヤツの間違いだよ。頭悪そうな、若いヤンキーだし。
でも、やっぱり僕は追い払われる。
ヤンキーの仲間たちはみんな、「オマエが間違ってんだ!」と突っついてくる。
いくら頭悪いヤンキーでも、全員が間違ったりはしないだろう。
ヤンキー集団の中にポツンと僕の席があるとは、思えないし(笑)
ヤツらは、「もっと向こうだ!」とさらに後ろ側を指すから、
言われたとおりに、僕はまた歩いてみる。
でも「3」の後ろまで行くんだから、もう4,5,6と離れていくだけさ。
どうなってんの?それでも歩いてみる。なにしろ車体は1kmもあるさ。
やぶれかぶれで、7,8,9が過ぎてもまだ、歩いてみる。
発車時刻まで残り3分だよ、もう知らね!
おや!?
さっき見てた数字よりも、さらに大きな字体で、「3」って書いてある!
うーん。察しがついたぞ。
さっき乗り込んだ「3」は、
2等車の「3」車両目だったんだ。
ふー!こんだけ歩いて、ようやく、
「寝台列車」の「3等車」の区画に、たどりついたんだ。
やれやれ。ビハーリーまで、歩いたほうが早かったんじゃないのかな?
そんなヒニクも言いたくなるさ。
いや!まだノンキに皮肉ってる場合じゃない。席についてナイんだから。
でももう時間がナイよ。
僕は、
大きな「3」のさらに「1」の車両に、とりあえず乗り込んだ。
そして、列車の中の通路を通って、自分の席を探すことにした。
うん。ボロい。
こっちの寝台車両は、これぞインドってカンジさ!
すきま風がびゅーびゅー入って、悪い立て付けのせいでガタガタうるさく、
駅とおんなじくらい物悲しくて暗くて、シートだってペッタンコだ。
発車のベルが鳴り響く!
僕はあわてて「63」までたどりつくけど、
なんで!?やっぱり先客がいる!
お菓子とか食べ散らかして、めっちゃくつろいでるし!
僕は、「ココは僕の席だよ!」と怒鳴り半分に主張するけど、
彼らは、「違う!違う!」と応戦してくる。
僕のチケットを奪い取るように眺めると、
「降りろ!降りろ!」と言う。
「いや、もうベルが鳴ってるよ!」
「降りろ!降りろ!」
彼らは、力づくで僕を列車から押し出してしまった。
僕、体が小さいほうなんだ。
インド人なら同じくらいだけど、集団でおしくらまんじゅうするなら、もう敵わない。
プルルルルルル!ガタン。
駅に、取り残されちゃったよ!!
『「おとぎの国」の歩き方』



