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エピソード9 『アオミ姫』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年4月1日
  • 読了時間: 2分

エピソード9

森の小道を10分も歩くと、

大きな泉にたどり着きました。

ほとりには、小さな小屋が立っています。


「泉の家って、ホントにあったのねー!」

フラミースは、目を真ん丸くして、言いました。


「どういうこと?知ってたんじゃないの??」


「いやぁ、泉の家については、

 ウワサばかりが、一人歩きしているの。

 お化けが出るとか、ドラキュラが居るとか、美男子が居るとか、

 とにかく、色んなウワサが立つから、みんな、近寄らないの。」


「ふぅーん。

 見たところ、誰もいなさそうだけど…

 とりあえず、小屋の中に入ってみましょ!」

アオミ姫は、急に勝気(かちき)になって、

いさましく、小屋のドアへと歩み寄って行きました。



姫が、ドアの取っ手に手を掛けようとした、その途端(とたん)…


バタン!!

「ギャー!!!」


姫は、一目散(いちもくさん)で、泉のふちまで逃げていきました。

フラミースもつられて、姫と一緒に逃げました。



「あれぇ?」

小屋のドアの前には、

すっぱだかの男のヒトが、ボケっと立ちつくしています。


「や、やっぱり変出者(へんしゅつしゃ)のアジトだったのね!!」


「変出者?ボクがぁ!?」


「そうよ!アンタ以外に、誰が居るっていうのよ!!」


「ボク、水浴(みずあ)びしようと思って、出てきただけなんだけど…」


「…へ??」


「泉で水浴びするのに、ハダカになるって、フツウのことだよねぇ?」


「ご、ごめんなさい。

 私たち、あなたがならず者だと、思いこんでいたものですから…」

フラミースが姫の前に出て、代わりに謝りました。


「あははは!そうかぁ♪

 べつに、ならず者呼ばわりされるのは、なれてるから、イイよぉ。


 …ところで、

 キミたち、迷子か何かのようだけど、小屋に寄ってく?」


「そ、それはうれしいんだけど、

 まずあなた、服を着てくださらない?」


「あはははは!そっかぁ♪」


『アオミ姫』

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