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第47章 ラーミア

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年1月1日
  • 読了時間: 2分

第47章 ラーミア


村の奥には大きな木があった。

そしてその木陰の下には、噂の大きな鳥が静かに佇んでいるのだった。体長5mもあろうかという大きな、白い、凛々しい鳥だ。横には世話人の男がいた。

神鳥ラーミア
神鳥ラーミア

男「たった今目を覚ましたんですよ。あなた方がこの村に来たときに」

リ「話しかけてもいい、ってことでしょうか?」

男「おそらく」ニコッと微笑んだ。

しかしリオが話しかける前に、神鳥は口を開いた。

鳥「ごきげんよう旅の人。

 私は、ラーミアといいます。

 『神鳥』と皆は呼びますが、私は神ではありません。鳥です」

リ「昔、勇者を背中に乗せて運んだのですね?」

ラ「そういうこともありました。何度か。

 勇気ある者が己の限界を超えて何かを為そうとする、その手助けをするのが私の役目です」

マ「あなたの背中に乗って、空を飛びたいんです!」

リ「こら!マナ!」

ラ「はっはっは!人間が皆そう思うことは、承知しています。

 しかし、私は無用には空を飛びません。

 あなた方をどこに乗せていけばよいのでしょう?見当もつきません」

リ「でも、あの、魔王の城とか…」

ラ「今すでにあなた方は、魔王と戦う準備が整っているのですか?」

リ「いや、そうは思えません!」

ラ「ではただの遊覧飛行になってしまいます」

リ「ご、ごめんなさい(汗)」

ラ「いえ、良いのですよ。

 ………。

 …また会うことが、あるかもしれませんね」

ラーミアは遠い目をしてささやいた。


二人は丁重にその場を立ち去った。

マ「また会えるかもって言ってたよ?」

リ「そうね。まったく眼中にナシって感じでもなかったわ」

マ「フルーツとか持ってきてあげたらいいのかな?」

リ「それはアンタでしょ!

 とりあえず宿屋に泊まって、次のこと考えましょ」

二人は村の入口の宿屋まで戻った。

リ「宿屋…!

 そうだわ!あの吟遊詩人さん!

 マナ、1泊休んだらカボチ村に戻りましょう!」



『僧侶だけで魔王を倒すには?』

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