13 空の星砂
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- 2023年3月3日
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13 空の星砂
目を覚まして、目覚まし時計を見ると、
見事に、5:55だった!
こんなに早い時間に目を覚ますことは稀(まれ)だったし、
何より、数字のゴロの良さに、驚いた。そして、少し気分が良かった。
私は、そのままベッドから出てしまった。
普段なら、二度寝をしてしまっていただろうけれど、
「5:55」のラッキー・インパクトが、私の目を覚ましてしまったのだ。
私は、カーテンを開けて、窓の外を眺めた。
薄水色の、5月の空だった。
…あれ!?
薄水色の空に、無数の光のツブが、キラキラと煌(きらめ)いていた。
…いや、煌くというほどハデなものでは、なかった。
ごくわずかに、繊細に、またたいているだけだった。
それはまさに、
ついさっき、夢の中のビーチで見た星砂を、
今度は、空に見ているような感覚だった。
その星砂のような光は、
何の自己主張も、していなかった。
ごく当たり前のことのように、そこに存在していた。
…ひょっとすると、
昨日の朝も、去年の夕暮れも、
ずーーーっと、空で煌いていたのかもしれない。
ただ単に私が、
それに気付いていなかった…意識を向けていなかった…
だけのことで…!?
パソコン雑誌に意識を向けてみたり、
エッチな雑誌に意識を向けてみたりすることは、
こんなふうに、「世界の見え方」まで、変えてしまうのだろうか…!?
そうかもしれないし、
そうじゃないかもしれなかった。
…少なくとも、私にとっては、
この1週間で、何かが、大きく変わった。
ゴールデンウィーク当初の私は、
テレビの情報番組に踊らされる、極めて単純な女のコだった。
でも、
それを親や友人に指摘されて、
謙虚に、「自分を改めてみたい」と感じた。
何かを「頑張ろう!」というような気負い・気張りは、なかった。
純粋に、様々なことに、興味が湧いてきただけだ。
今は、目の前にある新鮮なモノは、なんでもかんでも、
とりあえず、チラっと覗(のぞ)いてみたいと感じる。
そして、
友人たちの助けを借りて、
スポーツ新聞に意識を向け、
オバサン向けの雑誌に意識を向け、
セックスに、意識を向けた。
ゴールデンウィークの間、私の「体」は、
家と雑貨屋さん以外、ほとんどどこにも動いていない。
けれども、
私の「意識」は、
今まで知らなかった世界を、アチコチと飛び回った!
「意識」だけが、勝手に、
国内旅行をし、海外旅行をし、時間旅行をしていた!
私は、急に、
世界が狭いモノに感じていた。
セックスだとか海外旅行だとか、そうしたモノが、
「大人たちの、遠い世界の絵空事」とは、感じなくなってきた。
全てが、自分の手のひらの中にあるように、感じた…!!
『星砂の招待状 -True Love-』



