top of page

17 ジャングル・クルーズ♪

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年3月11日
  • 読了時間: 3分

17 ジャングル・クルーズ♪

 やがて、

広大な茶色い川を、大きな橋で、渡った。

 これが、メコン川のようだ。


「汚ねぇ…(笑)」


 それが、

僕の、メコン川に対する、第一印象だった!

ゴミで散らかってるワケじゃナイんだよ?

水が茶色く濁ってて、子供の砂場の水遊びみたいな色なのさ。



 バイクは、大きな船に乗り込んだ。大きな大きな、渡しのフェリーさ。

 他のバイクや車も乗せて、船は、ゆっくりと、進んでいった。

 船が対岸へ到着すると、

バイクは、とても細い路地を、器用にすり抜けて走った。

 川岸の住宅街に、ドカドカと侵入していくんだ(笑)

 あんまりにも狭いから、

僕の両膝は、あちこちにぶつかった!けっこう、痛かった!!


 5分も路地を抜けると、

やがてバイクは、小さな小さな船着場に停まった。

 カトちゃんは、波止場まで僕を誘導すると、

「後ハ、舟ネ。バイク、オシマイネ。」

 と言って、どこかに消えていってしまった…


 すると、今度は、

小さな渡し舟の船頭らしき人が、僕に、笑顔で握手を求めてきた。


 彼は、にこやかな笑顔で、恐ろしいコトを、言い放った!!

 それは、メラゾーマ級の破壊力を持っていた!!!

クルーズ、2時間、100ドルネ!」

「でえぇぇーーー!?」

 僕は、呆気に取られてしまった…!!

「イヤイヤ!僕もう、あのオッチャンに、100ドル払ったよ!?(40ドルだけど)」

「ソレハ、バイクノ オ金ネ!

 クルーズ・マネー セパレート(別々)! 100ドル!高クナイヨ!!」

 いくらヒマだは言え、

ここで更に100ドル払って観光する気には、なれなかった…。

 かと言って、

カトちゃんも消えてしまったし、僕は、引き返すことも、出来ない…


 結局、

値段交渉をして、なるべくお金を掛けずに、

この状況をエンジョイしまくるしかナイと思った。


 僕は、30分ネバって、35ドルまで、下げた!!

 見知らぬ老夫婦が、さっき、1人65ドルずつで乗っていったのを見たから、

コレもまた、満足のいく「戦」になった♪


 僕はお金を払うと、

お客たった1人で、小さなエンジン付きフェリーに、乗り込んだ。


 フェリーは、ゆっくりと走り出した。


 最初は、川幅が30mもあるようなところを走っていたけれど、

やがて、細い支流がいくつも複雑に交差するようなところを、

ゆっくり、慎重に、分け入っていった。

 車1台通れるかどうか、という細さの支流も、あった!

 川の両岸からは、巨大な草が奔放に伸びて、

舟の行く手をジャマし、行く先を巧みに隠した!!

「やべぇ、想像以上に面白ぇ!!!」

 僕は、開始から30分も経たずして、またもや、

「35ドル払った価値あった!!」と、感じてしまった(笑)


 支流を、どんどん奥へと突き進んでいった。

「ただの水草の積み重なり」のようにも見える川岸に、

幾つもの民家が立ち並んでいるのが、見えた。

 民家は、そこらに生えている水草で、作られているようだった!!

 インディアンの三角テントみたいのも、幾つか、見た!!


 僕らの舟は、時々、1人乗りの小さな人力舟とすれ違った。

 舟の上では、

三角推のワラの帽子をかぶったおじさんが、静かに、一本釣りをしていた。

 今夜の夕飯のおかずかな??

 

同じような小舟と、いくつもすれ違った。

 中には、小さな子どもが乗っているのも、あった!

 愛想良く手を振ってくれる親子も、居た!!

 すれ違いざまに、間一髪のタイミングで握手しようとする若者も、居た!!

 僕は、こんなふうな、

「原始的な集落に住む人々の暮らし」を垣間見ることに、

とっても、とっても、興味を持っていたんだ!!!

 たった今、それが、僕の目の前に、あった!!!


…ねぇ?

ディズニーの「ジャングル・ク○ーズ」と、どっちが面白そう??



『永遠の楽園』

bottom of page