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19 「流れている時間」の違い

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年3月11日
  • 読了時間: 3分

19 「流れている時間」の違い


 やがて、島を1周してしまったようで、

船頭さんが待っている小さな船着場に、戻ってきた。


 僕を乗せた舟は、再び、軽快に走り出した!

 舟は、僕しか乗っていないから、

ヒジをついて寝っ転がっていようが、写真をパシャパシャ撮っていようが、

歌をうたっていようが、自由だった♪



 舟は再び、中州の小島に着けると、僕を降ろした。

「この島では食事ができるから、何か食べておいで?

 魚のフライが、美味しいよ♪10ドルもあれば、食べられるよ。」

と、船頭さんは、教えてくれた。


 しばらく島を歩いていると、鉄製の柵と門が見えた。コレが、レストランだろう。

 中は、ガーデン・レストランになっていて、

幾つものテーブルが、間隔をたっぷりとって、並んでいた。


 ハデなオレンジ色のトップスを着たお姉さんが、

僕を見つけて、席に誘導した。

 それは、

更に奥まったところにある、特別席のようなカンジの、上等なオープン・デッキだった!


 席に座って待っていると、

オレンジのお姉さんが、メニューを持ってやってきた。

 まずはドリンクを注文しろとのことだったから、僕は、コーラを頼んだ。

 お姉さんは、料理のオーダーも聞かずに、奥へと引き返していった。


 10分も待ったかと思うと、

大きな銀のトレーに、コーラ1本だけを載せて、

ノンキな笑顔で、戻ってきた。

 彼女は、コーラをテーブルに置くと、自分でプシュっと開けてしまった(笑)

 高級飲食店なりの接客サービスであるらしく、

ストローも袋から開け、缶の口に突き刺してくれた。

 …そう!

 コッチのほうでは、

缶ジュースを飲むときも、もっぱら、ストローを使うんだよ。

 コレは、どうやら、衛生面での配慮らしい。

 日本とは違って、どのコーラも砂ボコリをかぶってるから、

 缶に直接口を付けるのは好ましくナイと、判断しているんだろうさ。


 僕は、コーラを1口飲むと、

例の、魚のフライとやらを、注文してみた。

 ソレは、「象の耳の魚」という名前が付いた、この辺で獲れる名産品らしかった。


 …更に30分ほど、ぼーーっと待ち続けて、

よーーーーーーーーーーーーーーーーうやく、食事にあり付けた(笑)



 オレンジのお姉さんは、

「お客を待たせて、申し訳ナイなぁ」

 といった表情は、微塵も、見せなかった(笑)


 僕は、よっぽどなコトでもナイ限り、怒らない人間だけれど、

先進諸国からの旅行者には、

この店のこのスローペースっぷりに、クレームを付けるヒトも、居るだろうなぁ。

 …それでも、

クレームを受けたことがあっても、

この店は、自分たちのペースを、変えないんだよ。(タブン)


 僕は、

「自分と彼女たちとでは、

 『流れている時間』というモノが、天と地ほど違うんだろうなぁ」

と、思った。



「象の耳の魚」

 というのは、おぞましい名前をしているけれど、

味は、フツーに美味しかった♪サバのような味をしていたよ。

 高級レストランらしく、盛り付けも創作的だった。


 食事はすぐに済んでしまったけど、

お姉さんをマネして、僕も、「のんびり」することにした♪

 オープンデッキには、

おあつらえむきに、ハンモックが掛かっていたから、

僕は、それに寝転がって、横になった♪

 ハンモックに寝転がるのも、小さな頃からの夢の1つだったし、

コレが、生まれて初めてのハンモック体験だった♪


 しばらく横になって、森のそよぎをBGMにウトウトしていると、

オレンジのお姉さんが、食器を下げに来た。

 僕はお金を払うと、

もうしばらく、ハンモックに寝転がっていた。



『永遠の楽園』

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