19 空港初体験・その2
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- 2023年3月3日
- 読了時間: 3分
19 空港初体験・その2
コンビニでチョコ菓子とジュースを買うと、
近くの鉄のベンチに、腰を下ろした。
周りには、旅行者が大勢いた。
私が、ぼーっとチョコ菓子をつまんでいると、
お爺さんお婆さん世代の団体旅行客が、
赤いチェック服の添乗員さんに従って、ずらずら並び始めた。
「はーい!
沖縄行きブルース・ツアーの皆様、こちらにお並び下さーい!」
…添乗員さんが、そう言い出す前に、
すでに全員が、綺麗に並び終えていたようだった(笑)
人は、年を取ると、素直になるのだと思う。
私は、
「コレに着いて行けば、沖縄行きのカウンターを突き止められる!」
と察した。
「ゆっこちゃん、冴えてるーぅ♪」
鳴りもしない「指パッチン」をカマして、少し上機嫌になった♪
…私の機嫌や体力は、
本当に、本当に、
些細なことの数々で、増えたり減ったり、していた。
厳密に言えば、ジュースもチョコも、あんまり関係ナイようだった。
「ジュースやチョコのように、上機嫌にしてくれる何か」があれば、
それだけで、充分なのだ。
お爺ちゃんお婆ちゃんたちの3メートルくらい後ろを、
そしらぬ顔して、着いていった。
添乗員さんが止まったのは、
「那覇行き 8:30」
と書かれた、Bのカウンターだった。
「あれ!?那覇?沖縄じゃナイの!?」
私は、頭が混乱してしまった。
お爺さんお婆さんがカンチガイをすることはあるとしても、
添乗員さんがカンチガイするとは、考えられない…
私は、思い切って、
一番後ろに並んでいた深緑チャンチャンコのお爺さんに、
「すみませーん…」と、話しかけてみた。
「あぁ?はい、はい?
おぉ、ヨシコちゃんかぁ?
なーんで?見送りに来てくれたんかぁ?」
「え?いや…私、ユキコですけど…」
「おじいちゃん!ヨッチャンじゃありませんよ!
姪(めい)っ子が、なーんで見送りに来るんですかぁホントにもぉ。」
「おぉ、そーかそーか!コリャ、失敬失敬。
ワシ、おじょうちゃんの足でも、踏んでしもうたか?」
「…いえ、違うんですけど…
あの、このカウンターは、沖縄行きですよね?」
「はぁ?そのはずじゃがぁ。
ワシ、違う添乗員さんに、着いていってしもたか!?赤い人じゃぞ?」
「おじいさん!慌てないでくださいな。
おじょうさん?
ココは、沖縄の那覇空港行きで、合っていますよ♪」
「あ、ありがとうございます!」
私は、エラく赤面しながら、お礼を言った。
那覇って、沖縄のことだったのかー!
自分の無知が、恥ずかしかった…。
そして、
「無知であることは、
人生をずいぶんと不便にし、遠回りさせてしまうものだ」
と、強烈に、強烈に、痛感させられた!!
インテリが偉いとは、思わないのだけれど、
それにしたって、私は、無知すぎるようだ…
一般常識くらいは、みんなと対等に話せるように、なるぞ!
20分くらい、その列で待ち続けた。
さっき買ったジュースは、もう、無くなってしまった…。
それに、
暇つぶしになりそうなものは、何一つ、持っていなかった。
私の両親は、15歳の娘には、ケータイを持たせはしなかった。
ようやく、私の番になった。
「チケット拝見しまーす」
と、受付のお姉さんが言ったのだけれど、私はよく聞き取れていなかった。
私は、オドオドしないように、気を付けて言った。
「大人1枚、お願いします!」
「…は?なんでしょう?」
「…え?
大人1枚、お願いします!」
オドオドしないぞ。私は、大人だぞ。
「えーっと…、
何を、差し上げればよろしいでしょうか…?」
…ようやく私は、
会話が噛み合っていなかったことに、気付いた!
冷や汗がどっと吹き出してきた。
「え!?
あ、あの…、沖縄行きのチケットを、大人で、1枚…」
「プッ!」
お姉さんは、不意に、吹き出してしまった!
しかしすぐに居直ると、プロの顔に戻り、
「お客様、まことに申し訳ございませんが…
航空券は、あちらのカウンターにてお買い求めいただくか、
奥のATMのような機械で、お求め頂けますでしょうか…?
そちらをお持ちの上で、
再び、当カウンターまで、お越し下さいませ…。」
バカな私にも解るように、
お姉さんは、丁寧に上品に、説明してくれた。
「あ、どうもすみませんでした!」
私は、大げさにお辞儀をすると、そそくさと逃げ出した!
『星砂の招待状 -True Love-』



