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29 勝手にドキドキ!

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年3月3日
  • 読了時間: 2分

29 勝手にドキドキ!


しばらく、手持ちぶたさにぼーっとしていると、

となりの席の男の人に、声を掛けられた。

「え?まさか、ナンパ!?」

と、身構えてしまったのだけれど、

「トイレに行きたいので、前を失礼しますねぇ。」

という断りに、過ぎなかった…

…一体全体、私の心は、休まることを、知らない…


ものの数分で、彼は戻ってきた。

また丁寧に断りを告げると、私に極力触れないように、

慎重に、座席に戻った。

彼は、席に座ると、

運動靴を脱ぎ、ラフなサンダルに履き替えた。

そのサンダルすら、つま先に引っ掛けている程度だった。

…つまり、

私とは正反対なほど、リラックスしていた…

旅馴れていて、飛行機馴れしているのだろう。


私は少し、彼のことが気になった。

顔は見ていない。背が高く細身なのは、わかった。

…私の好みの体型だった。

また、

あちこち座席の空間を移動している手が、

繊細で細長く、いわゆる「芸術家の手」だった。

私は、勝手に、ドキドキし始めてしまった!

彼も、これから石垣島に行くハズだ。

「ひょっとして、偶然にも行く場所が一緒で、

 あんなコトになって、こんなコトになって…」

と、あらぬ妄想を抱いては、一人、悶々としてしまった…!



私は、「イカンイカン!」と思って、

旅のことを考えることにした。

この飛行機が、

沖縄か、それに近い南の島に飛ぶとして…

星砂のビーチは、簡単に見つけられるのだろうか…?


…考えれば考えるほど、手詰まりだった…


私は、

フっと、名案を思いついた。

…これは、「下心」なのか、「妥当な打開策」であるのか、

未だに、わかりかねるものがあるのだが…

「隣のお兄さんに、星砂について、尋ねてみる」

というものだった。

彼は、旅馴れているようだったので、

きっと何かしら、知っているハズだ!



『星砂の招待状 -True Love-』

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