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3 雑貨屋

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年3月3日
  • 読了時間: 3分

3 雑貨屋


…恋愛部分だけ、ずいぶんと熱を入れて語ってしまったけど、

まぁ、とにかく「平均的なコ」だったワケなのです。


名前も、いたって平均的です。


久富 有妃子 ヒサドミ ユキコ


…名前に、「妃」なんて大それた字が入ってるけど、

コレは完全に、「名前負け」です。悪しからず…。



高校では、

部活も帰宅部だった。つまり、何もしなかった。

たいていの放課後は、

グループの7人のうちの誰かと、のほほんと過ごしていた。

けれども、

入学から2週間、3週間と経つにつれて、

部活にチャレンジするコが、増えてきた。



私は、放課後が寂しくなってきたから、

アルバイトを始めることにした。

部活特有の上下関係や罵声のようなものが、私には合わなかった。


必然的に、

アルバイトも、のんびりした環境のものを、探した。

ぜいたくに興味は無かったから、時給は安くても良かった。


…そんな話をしていたら、

グループのうちの一人である沙織が、

「知人の雑貨屋さんで働いてみない?」と、紹介してくれた。



私は、沙織の吹奏楽部がお休みの時に、

その雑貨屋さんに、連れていってもらった。

それは、

駅から歩いて5分くらいの場所にある、

のんびりした、小さなお店だった。

家族経営で、基本的には奥さん一人で、切り盛りしていた。


奥さんは、やや勝気な人だった。

大好きなタイプでは無かったけれど、怖い人でも、無かった。

とにかく、マイペースだった。そのヘンは、ウマが合いそうに感じた。


私は、「下見」のつもりで行っただけだったのに、

話が上手く通っていなかったらしく、

奥さんは、私がもう働く気でいるものだと、思い込んでいた(笑)

半ば、その勢いを言い訳にするようなカンジで、

私は、そこで働くことを決めてしまった。

履歴書すら、求められなかった(笑)

時給は、750円だった。決して、悪くなかった。



私は、土日を中心に、シフトを組んだ。

店は、月・水を定休日として、13時~20時という営業時間だった。

13時にオープンする店があるなんて、その時、初めて知った!

とにかく、マイペースな人なのだ(笑)



奥さんは、名前を、石井 智子 といった。

「トモコさんって呼んでね♪」と、言っていた。


トモコさんは、

買い付けのために、時々、海外に飛んだ。

国内の地方に、買い付けに行くこともあったけど、稀だった。

雑貨屋さんを経営した理由が、

「経費で海外に行けるから」だと明かし、笑っていた。


海外に行くというのは、私には考えられなかった。

遠い世界の人なのだろうと、感じた。


「英語は、やっぱ、ペラペラなんですか?」

と、お決まりの質問をすると、

「え?テキトーよ!

 数字が英語で言えれば、何とかなるわ♪」

…やっぱり、マイペースな人のようだ(笑)


それにしても、

テキトーな英語で、頻繁に海外に行き、

小難しい事業者と、商談まで出来るものなのかぁ…

私は、とてもビックリしてしまった。



『星砂の招待状 -True Love-』

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