32 「冒険」ってのはさぁ
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- 2023年3月3日
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32 「冒険」ってのはさぁ
「…へぇー!
ずいぶんと、大冒険だったんだねぇ♪
僕、そういうの、大好きだよ♪」
「え!?」
私は、ドキっとしてしまった!!
「『自分の限界にチャレンジする』ってこともそうだし、
『過保護に育った女の子が、一人で冒険に出る』ってのも、そうだし…
そういうエピソードが大好きだし、
そういう子は、応援したくなるねー!」
…そうだそうだ!
彼は別に、ゆきこのことを好きだと言ったのではなく、
「ゆきこが今日取ったようなアクション」のことを、好きだと言ったのだ(笑)
彼は、続けた。
(…ここからの言葉は、私に、非常に強い印象を植え付け、突き抜け、
今でも、一字一句違わぬくらい、鮮明に思い出せる…)
「『冒険』ってのはさぁ、
別に、アマゾンの奥地とかに行ったりしなくても、
日常の中で、出来るモンなんだよ。
たとえばさ?
幼稚園生の女の子が、近所のスーパーに買い物に行くのも、
ママと一緒に行っちゃうなら、『ただの日常』に過ぎないんだけど、
お金だけ預かって一人で行くなら、『冒険』なんだよね!
横断歩道渡るのにもさ?
いつもはママが、『押しボタン』を押してくれちゃってたけど、
今日はママが居ないもんだから、信号がいっこうに変わらない…
大人なら、すぐに『あ、ボタン押さなきゃ』って解るけど、
幼稚園生の女の子にとっては、『難題』だよね!
それに、信号が変わらないまま3分も立ち尽くすなら、
幼稚園生にとっては、
『絶望的に長い時間』に、感じちゃうと思うよ。
つまり、
ある人たちにとっての『日常』も、
また、違う人たちにとっては『冒険』になっちゃうし、
『大いなるチャレンジ』に、なり得るんだよね♪
本当は、誰しも、
子どもの頃から、段階を踏んで、
日常生活の中で、
少しずつ、難しい『冒険』に『チャレンジ』するべきなんだけど、
一人っ子ちゃんたちとか最近の子たちは、親や社会が過保護すぎるから、
ほんの小さな『冒険』にすら、『チャレンジ』しないまま、
大人になっちゃう…。
すると、
キミみたいに、『旅の恥はかき捨て』の典型みたいな事態に、
陥っちゃうんだよね(笑)
もしキミが、
子どもの頃から少しずつ、『冒険』に『チャレンジ』してたなら、
今日のこの数時間は、
もっとずーっと、ラクなものになったよね♪
『冒険』っていうのはさぁ、
自分の限界を突破していく上で、とっても大切なんだけどさぁ?
かと言って、
さっきも言ったけど、アマゾン川とか、必要ナイんだよ(笑)
海外放浪出来るお金や時間が巡ってくるまで待ってる必要なんか、
ナイんだよね(笑)
たとえば、
小学生の子なら、一人で電車で、田舎のおばあちゃん家に行くとかさ?
中学生の子なら、大震災の被災地に、ボランティアしに行くとかさ?
高校生なら、キミみたいに、一人で沖縄に飛んでみるとかさ?
そういう、
地に足の着いた、『等身大の冒険』を踏んでいくコトが、大切なんだよね♪
みんな、
上ばっかり見上げ過ぎてて、高望みし過ぎてるから、
結局、
『ほんの小さな冒険』すら出来ないまんまで、大人になっちゃう(笑)
それで、『人生がつまらない』って嘆いてる。
…わかる?
『冒険』ってコトバは、
辺境の地を旅するようなイミじゃぁ、ナイんだよ。
『自分の限界にチャレンジすること』は、
ぜーんぶ、『冒険』だよ♪
だから、
受験生が志望校のレベルを引き上げて大胆に挑むのも、『冒険』。
専業主婦しかしたことナイ人が、パートの仕事に出てみるのも、『冒険』。
…そういうのを積み重ねて、
日本の日常環境にシゲキを感じなくなっちゃった人だけが、
アフリカとか東南アジアとか『危ない!』って言われてるような場所を、
旅してみたりすりゃ、イイんだよ♪
ちなみに、
一般大衆の『冒険』の難易度が低下しちゃってるのは、
映画とかテレビゲームとかにも、反映されてるよね。
一昔前は、
映画もゲームも、ハデなものが多かったよ。
でも最近は、
小人がフツウの家の中を探検するような、
スケールの小さいモノが、多いでしょ?
ゲームもそうだよ。
今の若い子たちには、
『十代の勇者が、世界の裏側まで旅に出て…』なんてのは、
絵空事すぎて、リアリティが無い…
だから、『箱庭系』のゲームみたいのが、流行するんだね。
んで、ソレ系のゲームだと、
主人公がする『冒険』と言ったら、
『カラスに取られちゃった帽子を、取り返しにいく』とか、
そんな日常生活的なモンばっかりだよね。
若い子たちがもっと『冒険』してくれりゃ、
面白い世の中が作れるんだけどなぁー!」
『星砂の招待状 -True Love-』



