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33 シンクロ

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年3月3日
  • 読了時間: 3分

33 シンクロ


…まだまだ色々、

話したいことや聞きたいことがあったのに、

無情にも、

飛行機は、石垣空港に到着してしまった!


すでに、他の乗客たちは、

荷物を棚から下ろし、搭乗口から降りだしていた。



私は、

彼の話を、…これまでに無いってくらいに…

熱心に聴いていた。

…ので、シートベルトも外さずに、座席で固まっていた。

「…えっと、

 キミが立ってくれないと、僕、出られないんだけど…(笑)」

「あー!ごめんなさいごめんなさい!」

私は、あわてて座席から立ち上がり、通路側に避(よ)けた。

「…それと、

 良かったら、上の棚から僕のリュック、取ってもらってイイ?

 緑色のヤツなんだけど…」

「あ、はい!」

私は、あわてて彼の要望に応じた。

上の荷物棚のドアはもう開いていたので、

あとは、背伸びしてリュックを取り出すだけだった。

手だけを棚に突っ込んで、ガサゴソと探る。すぐ見つかった。

「これかな?」

グイっとリュックを引き寄せて、私はびっくり仰天した…

この緑のリュックは、

さっき空港で、行こうか帰ろうか迷っていた私の耳元で、

「だいじょぉぉーぶぅ、だいじょぉぉーぶぅ、

 それはぁ、魔法のコトバぁ♪」

と歌っていた人のそれと、オンナジだったのだ…!!


彼は、あ然としている私に、

降機すべきことを身振りで促しつつ、「どうしたの?」と尋ねた。

私は歩き出しながら、コトのてん末を、説明した。

「あははははは!

 そういうのは、旅をしてる時には、しょっちゅう起こるよ♪

 『シンクロ』っていうんだよね♪シンクロニシティ。」

「そうなんですかー!?」

「うん。ホンっっっトに、しょっちゅうある(笑)

 大抵、その人と出会ったことは、ものすごく、イミがあるよ♪

 …ラブロマンスとか、そういうことじゃナイよ?

 何か、絶対絶命のピンチで助けてもらったり、

 ものスゴい大切なこと、気付かせてもらったり…」

…まさに、ドンピシャだった!!

絶体絶命のピンチに救われ、

ものスゴい大切なことを、気付かせてもらった…!!

…ついでにラブロマンスまで加えてもらっても、

私としては大歓迎なのだけど…(笑)



彼は、空港の通路を、

私と話しながら、寄り添い歩いてくれていたけれど、

私は、いつ彼が、

「じゃぁ、これで」と別れを切り出すか、気が気じゃ無かった!

…ラブロマンスに発展しないにしても、

どうやら、もう少し、

旅を助けてもらう必要があった。

彼は、私の心配をよそに、

空港の玄関を出ても尚、私の横に居てくれていた。

…というか、

私は右も左も解らないので、

彼に着いていくしか、なかった(笑)


彼は、空港の玄関を出ると、

すぐ目の前のバス停に、並んだ。私も、並んだ。

バス停で一息着いて、2人の陣形が崩れ、

ようやく、

彼の顔を、まともに拝むことが出来た。

…また、ビックリした…!!


なんと、彼は、

私のクラスの会長さんに、ソックリだった!!

細身で背が高いのも、顔も、笑い方まで、良く似ていた!


…会長さんのこと、覚えておられるだろうか?

クラス会長決めをした時、

誰も立候補者が居らず、

「決まるまで、オマエら、帰れないからな!」

と、担任が突きつけた挑戦状を、

「じゃぁ、僕、やります」の一言であっさり無効化してしまった、

あの、救世主な彼だ!

私は彼に、その事実をも、告げた。

「あははは!そうなんだー?

 まぁ、『世界には、ソックリさんが3人居る』なんて、言うもんねぇ♪」



バスは、すぐに来た。

バスに乗り込んでも尚、会話を続けた。

私は、彼に名前を尋ねた。…ようやく尋ねることができた(笑)

彼は、博之という名前だった。ヒロさんと呼ぶことにした。

私も彼も、名前に「ユキ」が含まれている…

これも、何かの縁なのだろうか?考え過ぎだろうか!?

…その答えは、後々、判明するのだけれど…



『星砂の招待状 -True Love-』

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