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41 ランナーズ・ハイ

2023年3月3日
読了時間: 2分

41 ランナーズ・ハイ


私は、地図なるものを、持っていなかった…

地図くらいは、どこかでもらえそうなモンだけれど、

少なくとも私は、入手することが出来なかった。

この島に何があるのか、どこにあるのか、

それさえ、さっぱり解らなかった。

郵便局や商店がどこにあるのかすら、もう、解らない…

宿なるものは、本当にあるんだろうか?

…実際は、

幾つも宿の前を通ったけれど、気付かなかったようだった。



何のアテもなく、何の道しるべもなく、

かと言って、

時間だけは刻々と過ぎ、陽射しが容赦なく傾いていたのだけれど、

「不安」といったものを、微塵(みじん)も感じていなかった。


甘えん坊なユキコは、どこに行ってしまったんだろう…?


私は、

私であって私では無いような感覚を、覚えた。


…↑このようなフレーズを、

児童文学などで、何度か読んだことがあったけれど、

そのイミが、なんとなく、解ったような気がした。



…今になって思うのは、

あの時の私は、

「ランナーズ・ハイ」のような境地に、達していたのだろうと思う。

ランナーズ・ハイとは、

マラソン・ランナーが、

限界を超えて頑張って、極限状態に達したときに垣間見る、

「無敵マリオ」みたいな状態らしい。

まさしく、この時の私も、

朝から限界を超越し続け、

ある種の極限状態に居た。

この時の私も、「無敵マリオ」のように、怖いモノが無かった。


「冒険」だよヒロさん。これは「冒険」だ。

こんな無敵マリオみたいな、怖いもんなし不安なしのランナーズハイは、

市川に居たんじゃぁ一生味わえなかっただろうさ。

こんな私だって、マリオになれる。勇者になれる。



『星砂の招待状 -True Love-』

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