top of page

52 地雷博物館

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年3月11日
  • 読了時間: 3分

52 地雷博物館

 とにかく、木立の多い田舎道を走った。

 …緑の多い、シェムリアップ郊外の風景は、

僕の好みに、とても合っていた♪

 時々、ぽつんと一軒家が佇んでいるのを見つけては、

「こんなところに暮らしてて、イイなぁー」と、羨ましく思った。


 再び、10分くらいも走ると、次の目的地に到着した。

 また、木立の中の施設だった。

 …カンボジア人は、森が好きなんだろうか?


 入り口を入った、正面のところには、

小さく丈夫な木に、タイヤが吊るされていて、

子どもの遊具がこしらえてあった♪

 コレも、僕の胸を打つ感性だ♪

「きっと、子ども関連の施設なんだろうなぁ」と思って、尋ねてみた。


「うん。学校だよ♪

 …この辺までは、ね!」

 …学校と言っても、

そのタイヤの遊具と、小さな東屋が佇んでいるくらいだった…。

 カンボジアで言うところの「学校」と、

僕ら日本人の連想する「学校」には、ずいぶん、隔たりがあった…。

「学校なんだー!先生は、資格を持ったプロが、居るの?」

「いや、ボランティアのヒトが、教えているよ。

 資格持ちのヒトのケースも、あるだろうけど…。」

「へぇー!僕、海外の子どもに勉強教えるボランティアって、

 ちょっと、興味あるなぁ…!!」

「あ、そういや、

 今、この学校に勉強を教えに来ているのは、日本人の男性だよ♪

 しかも、ウチのゲストハウスに長期滞在してるよ♪

 ぱるこが滞在してる間に、会うこともあるだろうなぁ。

 仲良くなって、見学でもさせてもらったら、いいさ♪」

「そりゃ、楽しそうだ!!!」

 ガイドブックには載っているハズもナイ観光が、どんどん増えていきそうだった♪



「…んで、この施設のメインは、何なの??」

 そう尋ねると、ナカタは、更に奥まで、僕をいざなった。

 角を曲がると、光景は、一変した!!!


 地雷だらけだ!!!

「うわー!!!」僕は、驚きの声を上げた!

「あっはっは!

 大丈夫だよ♪

 ココに展示してある地雷や爆弾は、

 全て、セーフティーな処置が施されているからさ。

 蹴ったって、踏んづけたって、ノープロブレムだよ(笑)」

 そう言って、ナカタは実際に、

足元に展示されていた太ももくらいもあるロケット爆弾を、力強く蹴っ飛ばした(笑)


 …一応、そこかしこに、

「Don't touch」の札が掲げられていたけれど、

全ての地雷や爆弾は、無造作、且つむき出しに展示されていて、

警備という警備も、無かった(笑)

 …そもそも、

「展示」と表現してイイのかどうかも、怪しかった(笑)


 察しは付いたかもしれないけれど、

ココは、「地雷博物館」だった。

 ナカタはまた、戦争関連の施設を、チョイスしたワケだ。

 けれども、

この地雷博物館もまた、さっきの「学校」と同じく、

日本人がイメージするそれとは、ずいぶん、趣が違った(笑)

 まず、展示方法や雰囲気が、

地雷「博物館」と呼ぶには、あんまりにも、ラフ過ぎた(笑)

 展示というよりは、そこらに転がってるだけだった(笑)

 一応、ポル・ポト戦争を説明するような簡単なパンフレットが、

中央の東屋の中に、備え付けられてはあったけれど、

全体的に見て、悲壮感を煽るような演出は、さっぱり、無かった(笑)

 ユニークな姿で敬礼のポーズをとる、ガイコツの絵のポスターが、

来場者の微笑みを、誘っていた(笑)

 また、施設の中だったはずなのに、

一般人の民家と思われる建物が、幾つか、点在していた。

 彼らが、有志で、「地雷博物館」を管理しているんだろうか?


『永遠の楽園』

bottom of page