53 パスポート・センター
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- 2023年3月11日
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53 パスポート・センター
地雷博物館を出て、バイクを走らせる。
時間はそろそろ、4時を回っていた。
「
ねぇ、遺跡とかは、行かないの??」
僕は、堪りかねて、尋ねた。
「フフフ♪まぁ、待ってなよ!」
ナカタは、イタズラっぽく笑った。
道は、やがて、かなり整備され始めてきた。
…それでもやはり、
自然豊かな緑地を走っているんだけども…。
バイクは、妙なチケット・オフィスに到着した。
彼は、「さぁ、行っておいで♪」と言って、
自分は、留守番を決め込んでいた。
「何のオフィスなの??」
「アンコールワットの、パスポート・センターさ♪」
「ついにーー!?」
僕は、イッキにコーフンしてしまった♪
アンコールワットのパスには、
顔写真を貼り付ける必要が、あった。
このパスポート・センターの中で、
プロのカメラマンが、一人ひとり、写真を撮ってくれるんだ♪
…んで!!
このカメラマンが、メチャクチャ面白いヒトで、
証明写真撮るだけでも、1つのアトラクションみたいだった♪
…と言うのも、
別に、お役所の公的書類ではナイから、
写真の条件は、とてもユルいんだ!
ウインクしててもイイし、ヘン顔してても、イイ!!
僕は、その時持ってたコーラの缶を、
顔の横にあてがって、クシャクシャな笑顔をキメた(笑)
カメラマンは、ツッコミもお手のモノで、
そんなふうにおどけた僕に対して、
親指を立てて「グー♪」とやりながら、
「イェス!!ユーアー ミスター・コ○コーラ!!」
と、褒めて(?)くれた♪
彼が、無数のお客さんたちを、
次から次へと、あの手この手で、
笑わせたり、個性的なポーズを取るよう、お膳立てしたりするから、
待ち時間も、みんなの撮影を見ているだけで、飽き知らずだった!!
「証明写真のカメラマン」というのは、
基本的に、明るくノリの良いヒトが多いけれど、
彼ほどユーモア・センスとサービス精神のあるカメラマンを、
後にも先にも、どこの国にも、見たことがナイ!!
…カメラマンという業種に限定しなくても、
彼ほどのユーモアと奉仕を併せ持つヒトには、
お目に掛かったことが、ナイと思う!!!
彼は、全くの無名だけれど、恐ろしい人格者だ…!!!
写真の撮影が終わると、
チケット・オフィスで、パスポートを買う。
…実は、
アンコールワットは、遺跡に入る前から、旅人を仰天させてしまう!!!
アンコールワットのパスポートには、
1dayパス以外にも、2種類が存在しているんだ。
1つは、「3dayパス」というモノ。つまり、3日間の観光が可能な、パスなんだ。
遺跡の入場パスで、「2dayパス」というモノなら、
他の国でも、幾つか、見たことがあるよ。
けれど、「3dayパス」というのは、
世界広しと言えども、ココ、アンコールワットにしか、ナイだろうさ!
…これだけでも、すでに、ギネス級だというのに…
アンコールワットの入場パスには、
ナント、
「1『week』パス」
なんて恐っっそろしいシロモノが、あるのさ!!!
コレはつまり、
「1週間もの長期間、
アンコール遺跡を探検したいと願うヒトたちが、ゴロゴロ居る」
ということさ!!!
僕は、あと3日しかこの国に滞在出来ないから、
3dayパスを、購入した♪
カメラマンに笑わせてもらって、アンコール遺跡のパスをGETして、
満足顔でバイクに戻ると、
ナカタは、そのまま、
パスポート・センターの奥に続いている一本道を、
軽快に走っていった。
『永遠の楽園』



