top of page

55 ヒッチハイク講座

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年3月3日
  • 読了時間: 2分

55 ヒッチハイク講座


私は、大変なことを思い出した!

帰りの飛行機チケットを持っていないのに、

全財産が4,000円しか、ナイのだよ!!

ねぇ、どーする!?


私は、一か八か、

おばぁに相談してみた。

「理由を説明すると、ものすごーーーく長くなっちゃうんですが、

 全財産が4,000円しか無く、帰りのチケットも、ナイのです…。」

と…。

おばぁは、こう答えた。

「カネを貸してやれんことも、ナイが…

 ヒッチハイクで、帰ってみるかぇ?」

「えーーーーーー!?」

私は、予想だにしなかった答えに、とてつもなく面食らった。

「…まぁ、

 ワタシの直感に過ぎんのだけど…

 おじょうちゃんは、

 ヒッチハイクで帰ったほうがえぇし、

 その道が、開けるじゃろなぁ。」

「ママママ、マジですか…?」

アタマがクラクラしてきた。何のバラエティ番組!?

「いやぁ?

 マジかどうか、ワカランのよぉ。

 直感ってモンは、何の根拠もナイからよぉ(笑)

 どーする?

 カネ、借りてくか?」

…私は、迷った。

迷いに迷った。

ヒッチハイクなんて、バカげている気がした。

そんなのは、テレビの中だけの話だと、思った。


「ヒッチハイクで東京まで帰ってったヤツの話、

 いくらか、聞いたことあるなぁ。

 女のコでも、居たぞぉ?

 ミワちゃんとか言ったかなぁ。

 線の細い、可愛らしいコだったよ。」

三線のお兄さんが、

ありがたいんだかありがたくナイんだか、

よくわからない口添えを、してくれた…。


彼は、続けた。

「女のコたちはさぁ、

 『自分は女のコだから、ヒッチハイクなんて出来ない』

 って、言うんやけどさ、

 実は、逆なんよね(笑)

 ヒッチハイクを試みて、成功する旅人は、

 実は、圧倒的に、女のコのほうが、多いんよ。

 野郎が、

 道端で『東京』とかプラカード掲げて、親指上げてても、

 トラックの運ちゃんたちは、見向きもせんのよ。

 野郎なんか乗っけても楽しくナイし、

 『野郎なら自分で何とかせぃ!』って、思っちゃうんよ。

 けども、

 女のコが親指立ててると、反応は一変するんよ(笑)

 割とカンタンに、停まってくれるでぇ?

 レイプみたいな酷い下心がナイにしても、ドライブくらいは、したいんよ。

 女のコと数時間もドライブ出来んのは、

 ガテン系の野郎たちには特に、嬉しいんやなぁ。

 それに、弱者である女のコに対しては、

 やっぱり、『助けてやらんと』って感じるモンよ。

 レイプなんちゅうのも、

 現代日本では、まず、起こらんなぁ。

 …まぁ、

 ミニスカート穿(は)いて、股おっ広げて助手席座ってんなら、

 『誘ってる』って思われても、しゃぁないで?

 でも、

 りりしく座って、エロも言わずに澄ましとったら、

 途中で居眠りしてまったとしても、

 ヘンな気は、起こされんよ。たいがい、なぁ。

 よっぽど不安なら、

 ナンバープレートを写メらしてもらえばえぇわ。悪さ出来へんなるから。」



「どぉするー?」

おばぁは、ノン気に尋ねた。


私は、答えを決めた…



『星砂の招待状 -True Love-』

bottom of page