えぴそーど110
一向はヨッパラの西のはずれまで戻ってきた。イキリスだ。
この国はヒボン並みに色々なものが揃っている。一行はまた快適な宿をとり、しばしの骨休めを挟んだ。
ヒ「おじさん、ダージリン1つ!」
カ「あなたアールグレイ派じゃなかったの?」
ヒ「え?なんかダーリンみたいでトキメくじゃぁん(♡▽♡)」
宿のロビーで、お紅茶を飲みながらくつろいでいる。
ミ「あぁ知ってる?ダージリンってイキリスじゃなくてヒンドの地名なのよ(^▽^)」
ヒ「えぇ!!うるわしイキリスの産地名じゃないの!?Σ( ̄□ ̄|||)」
ミ「あははは違うのよ(^▽^)
私も若い頃、ヒンドに行くまで知らなかったわー!」
カ「アッサムもそうね。セイロンは隣の貧国スリリンカだしね。イキリス人は紅茶をうるわしなものと思ってないわ。ヒボンでいう緑茶よ」
ヒ「なんとぉぉぉ(@ ̄□ ̄@;)!!
紅茶が高いのってもしや、包装がかわいいから!?」
カ「ちなみにハーブティーって、野草って意味だからね(´_ゝ`)
そこらへんに生えてる雑草カモミールをお茶にしてるだけよ」
ヒ「マスター!お紅茶返品しますぅ(;´Д`)
お湯だけくださぁい!自分で雑草摘んでくるんでぇ~」
ミ「あははは、バックパッカーらしくなってきたわね(^▽^)」
ミサトはヒナタの成長を喜んでいる!
ヒ「あぁあ~悪い王様やっつけちゃったらヨッパラも平和だね!なんだか物足りないぜ( ̄д ̄)」
カ「いい気なもんね」
すると宿の店主が口を挟んだ。
宿「いやぁ平和なもんですか!
人間ってのはね、暴力の戦いをやめたら今度は口や札束で戦うんでさぁ」
ヒ「え?なんか困ってるの?」
宿「最近どうも、しょっちゅうウチにオレオレさんって人から電話がかかってくるんですよ!何言ってんのかよくわかんないんですが、とにかく仕事の邪魔でね!営業妨害ですよ!」
ヒ「オレオレ詐欺じゃねΣ(゚□゚︎`)」
ミ「悪徳商法はヨッパラ中で流行ってるのかしら?」
カ「ていうかまたそのネタで大丈夫なの?クドいわよもう絶対!」
宿「ご存じなんですか?オレオレさん」
ミ「いえ、それは名前ではなくてね・・・」
すると!
ジリリリリリリリリーン!!
宿の電話が鳴った!
宿「あ、ほら!また来た!いつもこれくらいの時間に来るんです!」
店主は受話器を取ろうとしたが・・・
ヒ「まかせろっ( ̄▽ ̄)
今度は一瞬で葬り去ってやる!」
カ「何言ってんだか」
ヒナタは受話器を強引にぶんどった!
電「あーもしもし?オレだよオレオレ!」
ヒ「もしもし?こちらオレオレ詐欺のアジトですけどぉ~」
電「え!?」ガチャン!
ツーっ、ツーっ、ツーっ・・・
ヒ「いえーーーい( ´∀`)bグッ!」
カ「ホントに一瞬で片づけちゃったわ・・・!!」
セ「すごぉーーい(*◕◇◕*)」
ミ「なるほど・・・!厄介な敵と思いきや、先手をとってしまえば簡単に撃退できるのね( *´艸`)」
ヒ「いやぁーアタシ、口ゲンカの世界だったらホントの勇者になれるのになぁ~( ̄▽ ̄)」
ミ「あながち・・・( *´艸`)」
カ「魔王が滅びた後の時代の子なのかしらね」
ミ「あぁそうだ魔王よ!
ノンキに笑ってる場合じゃないんだったわ!」
カ「マスター、魔王の動向についてニュースになってたりしないの?」
宿「えぇ。それならテレビでも点けてみたらよいのでは?」
パチン。店主はテレビのスイッチを入れる。
魔「きゃははははは!
もぉ~い~かいっ!?
あ、まちがえた!!それは捕まえる側のセリフだったにゃΣ( ̄□ ̄|||)」
しかし、次に舞い込んだ悲報は、皆の予想を覆すものだった。
次のターゲットは、アフィリカ大陸のブルジョリアだったのだ。
魔王はアフィリカ大陸にいる。
一行は、次の一手を思案する。
魔王の侵略が進み、世界中で船などの長距離移動は制限されていた。出てはいるが本数は少なく、値段も高い。
ましてや船は、買うなんてもってのほかだ。
どうする?どうやって魔王を追いかける?
こんなときに知恵が働くのは、やはりヒナタなのだった。
ヒ「あー!ねぇ?
カツアゲからカツアゲするのはアリなんでしょ?
じゃぁさぁ、海賊から船を奪えばいいんじゃね( ´∀`)b」
ミ「奇策中の奇策ね!」
カ「ナイスアイデアだわ!誰も傷つけないし、お金もかからない!」
イキリスや西ヨッパラは貿易が盛んで、貿易船を狙う海賊船が、時々悪さをするのだった。
一行はスポインの南側まで陸を行くと、沿岸に停泊している海賊船を見つけて乗っ取った!
船に乗って南のアフィリカ大陸を目指す。
ヒ「いやー、これでいいのだろうか(・∀・)」ヒナタは船の舳先で腕を組み組み風を浴びている。
カ「悪くないわ。海賊って悪者だから。とっちめたら世界のためにもなって一石二鳥よ」
セ「るんるんるん♪(*◕ᗜ◕*)」セナはおどろおどろしい海賊旗からすげ替えるために、布にお絵かきをしている。
やがてアフィリカ大陸に、無事上陸を果たした。
おや?セナは手に見慣れないものを持っている。
ヒ「セナちゃんイイもん持ってるぅ(*'▽')」
ミ「あなたそれ、どうしたの!?」
セ「ふねの中で、ひろった」
セナが手に持っていたのは、銀色の小さな竪琴だった。海賊がどこかで盗んだ調度品だったのだろう。
セナは竪琴を見つけて、思ったのだ。自分も楽器をたしんでいたら、いつかどこかでまたソロ・フナスキンに出会えるのではなかろうか?彼に出会う確率が上がるのではなかろうか?きっと、サッカーやボクシングの熱狂的ファンをやっていても、彼には出会えないのだ。
人生というものがどのような法則性で動いているか、セナも少しはわかっている。人との出会いはランダムではなく、似た趣味を放つものが出会いやすいように、意気投合しやすいようになっている。
ぽろろろん。セナは竪琴をかきならした。まだ何も弾けない。
セ「ふわふわり ふわふわる
あなたの名前をよぶ それだけで 宙へ浮かぶぅ~♡」
まだぽろろろんだけで良いのだ。人生は長い。
するとカンナはセナに、ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ドと教えてやるのだった。それぞれが、それぞれに優しかった。愛する人が同じであっても。
港を抜け、庶民たちの市場を通り抜けていく。
ヒ「あぁ!ちょっと偏見かもだけど、アフィリカ大陸ってちょっと物騒なところなんじゃなかった!?」
カ「合ってるわ。粗野な人が多い土地と思ってたほうがいいわ。
しかも図体が大きいから余計に怖いのよね」
ミ「夜中は宿から出ないほうがいいわね」
この大陸では、郊外のほうが治安が悪いという。
一行は、街の中心の街灯の多いところに宿をとった。
ヒナタは宿の店主に尋ねる。
ヒ「ねぇ、魔王はこっちで色々悪さしてるの?」
宿「ほれ、今テレビでそのニュースをやっとる」
一行はテレビの画面を眺めた。
テ「なんと、魔王から大々的に宣戦布告です!
『アフィリカ大陸に大群を送り込むにょ』と!
『にょ』というのはなんなんでしょう!どこの国の言葉でもありません!」
ヒ「にょぉーーーーー!!!Σ( ̄□ ̄|||)」
カ「そういう問題じゃなくない(汗)」
ミ「国1つじゃなくて、大陸まとめて侵略してくるつもりかしら・・・!」
カ「『大群を送り込む』ってことは、自分で攻めるんじゃなくて手下を大勢送り込むってことよね」
ヒ「魔王と戦うより無理ゲーなんじゃね?」
カ「そんな気もするわ。
アークデーモン1000匹とか絶対勝てないもの・・・!」
ミ「戦うためにこの大陸に来たのならば、何か策を講じる必要がある?」
ヒ「セナちゃん、また破壊神呼んでよ!」
セ「もうまほうじんもじゅもんもわかんない」
ヒ「だよねー(;'∀')」
カ「でもそのレベルの秘策が必要だわ。
私たち4人で倒せるわけがない・・・」
仲間探しが必要だ、と4人は思った。仲間でないとしても、助っ人が。
ヒ「ねぇおじさん!
アフィリカに誰か、すごい強い魔法使いとかいないの?」
宿「すごい強い奴か?
昔オチエピアがヨッパラに侵略されたとき、たった一人でそれを撃退したっていう英雄の話があるな。魔法使いじゃなくて武闘家だけどよ」
ミ「ヨッパラを一人で!?」
カ「武闘家でもいいわ。強ければ何でもいい」
ヒ「どこにいるの?その人」
宿「リベリラの石の教会で隠居してんじゃねぇかなぁ」
ミ「行ってみましょう!」
象のトロデは相変わらず元気に一行を乗せて歩いた。
未舗装の土地が多いアフィリカは、人間には歩きにくいが、トロデには好都合であるようだった。
ヒ「なんか最近やたら展開はやくない?(・∀・)」
カ「そろそろ作者も疲れてきたんでしょ(´_ゝ`)」
セ「ほいみ!ほいみ!(*◕ᗜ◕*)」
ミ「作者って話の中に巻き込んじゃってイイの?(^▽^;)」