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エピソード10『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』

  • 2024年5月2日
  • 読了時間: 4分

更新日:4月25日

エピソード10

ワフルの里のイメージ。 『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』
ワフルの里のイメージ。挿絵の参考に♪ by生成AI

―ワフルの里―

3人は足早に、その集落へと駆け寄った。

集落に辿り着くと、幾人もの住人がずらりとこちらを待ち構えている。

ワフル里人イメージ 『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』
ワフル里人イメージ。挿絵の参考に♪ by生成AI

ハ「歓迎してくれるのかな?」

ゆ「いや・・・」

そういう気配ではなかった。

真ん中に立つ男性たちは毅然としてこちらを見ていたが、人だかりの端にいる女性や子供は不安げな表情で、互いが互いの陰に隠れながら、3人の様子を伺うのだった。


男「結局、辿り着いてしまったか・・・」

3人の住む国の民とは異なる、奇妙な格好をした者たちだった。

全体的に背が低く、ややずんぐりむっくりな体型をしている。肌は浅黒く、顔は丸い。

ハ「やぁ、おっさんたちエルフか?」

長「エルフではない」代表とおぼしき男は無表情に言った。

ワフルの村長(仮設定) 『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』
ワフルの村長(仮設定) by 生成AI

ゆ「歓迎されて・・・ないみたい」ゆなは不安げに言った。

長「当然だ。

 自分の国を離れ、こそこそと山を抜けてどこへ行く?人間よ」

な「人間よ?」・・・ってことは、エルフじゃないけど妖精なのかな?ななはたくましい空想力を働かせた。

長「その通りだ。我らは人間とは異なる種族。妖精と呼ばれることもある」

ハ「妖精!妖精なんて本当にいるのか!?」

長「人間にこの森に立ち入られては困る」

な「妖精がいるってことは、魔物も本当にいるのかなぁ?」

長「当然だ。魔物の存在も知らぬのか?

 噂通り、平和ボケした民族だな」

ハ「するとやっぱり、あの犬やサルは魔物だったのか!」

長「違う。おまえたちに襲い掛かったのは動物だ。

 我々が仕向けた」

ハ「なんだよ殺されるところだったんだぞ!」

長「動物ごときで死ぬのか?やわな生き物だな。

 殺すつもりはなかった。威嚇出来れば充分だ。

 戦うつもりはない。引き返してもらいたかっただけだ」

ゆ「どうして?旅行もしちゃいけないの?」

長「人間は、生き物を殺す。自然を破壊する。

 それ以上に理由を並べる必要があるか?」

ゆ「うぅ・・・」ゆなの心にはこうした言葉は重く響いた。


長「ここは人間に侵害されていない土地だ。無暗に侵略・・・いや、開拓されたくはない。

 帰ってもらおう」

ゆ「でも、侵略の意図はないんです」ゆなは真っすぐに言った。

長「どうせ仲間を大勢引き連れて、再びやってくるのだろう。

 『我々は調査団です』そんな詭弁は聞き飽きた」

な「おうちには、帰りたくないんです」

ゆ「私は帰りたいけど・・・でも帰りたくない気もします。ただ森を抜けたいだけなんです」

ハ「こんな村に用は無いぜ!もっとすげぇ城とか行きたいんだ」

長「・・・」

長は3人の様子をしばし眺めた。

長「なるほど。

 『ただ通り抜けたいだけ』というのは本心であるようだ。

 皆の衆、解散だ。無駄に騒がぬよう」

男がそう言って手を挙げると、民は少々ざわつきながら、家々に散っていった。

そして長らしき男も、自分の家へと引き返していった。

ゆ「あ、あの!」何か食べさせてほしい、と言いたかったがそういうムードではなさそうだった。



3人は広場にポツンと取り残された。どうしたものかとキョロキョロしていると、右方面の家の陰から小さな男の子がこちらを見ている。3人に興味を持っているようだ。

な「あは♪」ななは上機嫌になって、ニコっと微笑みかけた。

少年は咄嗟に顔を隠した。

ハ「おい!怖がってんぞ!」

いいや、赤面したのだった。

3人は少年に近寄っていった。

少年は向き直り、ワクワクやモジモジや様々な感情の入り混じった笑顔で3人を見つめ返した。

な「こんにちは♪あなたたちは、ドワーフ?」

少「そうだよ。僕はアミン」

な「私はなな。こっちはゆなで、ハヤト」

ア「お、おう!」

ハ「おまえは人間が怖くないのか?」

ア「男は怖いけどね。女は怖くない」

ハ「なんだよスケベか!」

ア「男はおまえみたいに武器を振り回すだろ!」

ハ「『おまえ』じゃない。ハヤトだ」

ゆ「ごめんね。あなたに剣は向けさせないからね。

 ねぇ、何か食べ物を分けてはもらえないかしら?」


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