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エピソード111『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2024年5月2日
  • 読了時間: 2分

更新日:2024年8月17日

エピソード111


オアシスを飛び石しながら、無事に砂漠の終わりが見えてきた。

女たちはすっかり日焼けしてしまい、そのことに軽く絶望している。

な「ねぇキキちゃぁん!日焼けを治す魔法ってないのぉ?」

ゆ「そんなのあるわけないじゃないの!」

キ「と思いきや、実はあるのだぁ!

 ふっふっふ!」キキは手を腰に当てて胸を張っている。どんな魔法が使えることよりも誇らしげである。これが女にとっての切実な現実なのであろう。

キ「その名もぉぉ~・・・」

な「ワクワク・・・!」

ゆ「ドキドキ・・・!」

キ「《ホイミ》ぃぃぃ♡」

キキはプリキュアのように決めポーズをしながら言った。

な「なんだぁまたキキちゃんのジョークかぁ(汗)」

キ「いいえ!ジョークではないのであります!!」

2人「えぇ!?」

キ「ていうかあなたたち、他の旅人に比べたらゼンゼン日焼けがマシなこと、気づいてる!?」

な「えぇ、そう??」

キ「そうよ。砂漠を超えてきた商人や冒険者たち、もっと真っ黒でしょう?

 砂漠じゃない場所で出会った商人や冒険者だって、もっと浅黒い色してたでしょう?」

な「そうかなぁ?」

ゆ「そう、かも?」

キ「その秘密が、《ホイミ》なのよ♪

 《ホイミ》って体の傷を治す魔法でしょ?そして日焼けだって小さな小さなヤケドよぉ。

 《ホイミ》は基本的に、唱えたときに術者が意図した傷の回復に働こうとするけど、それ以外の部位にも回復は及んでいたりするのよね。

 だからわたしたち、戦闘と《ホイミ》を繰り返す中で、日焼けの回復もしながら旅してきてるのよぉ~♪」

ゆ「へぇ~そうなんだぁ!」

な「でも日焼けを治す特別な魔法があるってわけでもないんだねぇ」

キ「いやぁ別に、《ビハックー》とか名付けて独自の魔法として確立させたってイイんだけどね?

 冒険者のメインである男たちは日焼けなんて気にしないし、『日焼け治しの魔法!』とか言ったってどうせみんなバカにするでしょぉ(笑)」

ゆ「そうかも(汗)」

キ「というわけでぇ、砂漠を抜けたあなたたちは、あっさりと以前の白雪ぷるぷる肌に戻りまぁす♡」

な「じゃぁずーっと旅してても、夏の海ばかり旅してても、シミだらけのお肌にはならないってこと?」

キ「そうよ♪ホイミ女子はね♡」

「シミだらけそばかすだらけの肌にならずにいられるなら、ずっと旅していたい気もする」そんなふうに思うゆなであった。


砂漠も最後の休憩地であると思われた。

このまま北上すると、まりんの住んでいたフィギュー国が見えてくる。

しかしまりんが言うに、彼女の国に世界樹なるものの噂はない。

一行は、東に進路を変えることにした。


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