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エピソード12『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2024年5月2日
  • 読了時間: 2分

エピソード12


ドワーフを加えた一行は、なおも森の中を歩いていた。

な「うふふ。アミンが仲間になってくれて嬉しいよぉ♪」ななはニコニコ笑った。

ア「えへへ。僕も嬉しいさぁ」

ハ「おまえ、何が得意なんだ?」

ア「え?・・・特に何も・・・(汗)」

ハ「なんだよ使えねぇなぁ!

 オノ振り回して《覇王斬!》とかやるんじゃねぇのかよ!」

ア「うぅぅ。僕はまだ子供さぁ」

ゆ「じゃぁ、ドワーフって生き物は、何が得意なの?」

ア「ドワーフか?魔法を少し操るよ。そして工作が好きだ。

 あとは植物の世話をして生きるのが好きだ」

な「魔法!どんな魔法?」

ア「簡単な魔法だけだよ。他の里はもっとすごいのがいるかもしんないけどね。

 あとは、透視も使うヤツもいる」

ゆ「透視って、霊視ってこと?」

ア「そうだよ。遠く離れたものを視る。

 長老は森の向こうにいたななたちを透視で視た」

ゆ「なるほど。それで危機を察知して、サルや犬を操ったのかしら」

な「アミンは透視はできないの?」

ア「出来るよ。僕は長老の孫だからね。いい血を継いでるらしいよ」

ハ「じゃぁ人間の世界の様子だって、家に居ながら視れんじぇねぇか!平和な家の中でよ」

ア「そうだよ。でも映像で視たって、それだけじゃ物足りないさ。

 実際に、この目で見たいんだ!

 この手で触れたいんだ!

 そうは思わないのか!?」

な「思うー♡」

ゆ「でも怖いのは嫌よ(泣)」

ア「おまえは?ハヤト。

 テレビゲームの映像だけで、満足なのか?」

ハ「・・・・・・。知らねぇ」

ア「ふぅーん」


ハ「敵を倒す魔法は使えないのかよ?」

ア「使えるよ。《メラ》なら使える。小さな火球の魔法。

 あとは《ヒャド》だ。氷の魔法。

 えへへ。今はまだそれだけさ」

アミンはその手から小さな火球を出して見せた。

な「えぇ、すごーい♪ホントに魔法だぁ!!」

ハ「《メラ》ぁ?だっせーなおまえ!もっとちゃんと修行しろよ!」

ゆ「でも火の魔法が使えるなら、ハヤトの着火剤がなくなっても焚き火に困らないわ!

 アミンあなた、私たちの貴重な情報源にして、命綱みたいなもんよ!」

ア「えへへ、それ褒めてくれてるの?」

ゆ「そうよ!最大限の褒め言葉なの!!」

ア「えへへ。うれしいなぁ」

 小さな能力しか持たないとしても、それを持たない人の輪の中では貴重品なのだ。他の人々と交わるならば、自分の価値に気づく。


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