エピソード135
れ「お婆さん。村の外には魔物が出るのです。
とても危ないのですよ」
婆「えぇえぇ。わかっているわ。
でも、ほら・・・。後悔したくないんだもの!」
れ「あ、はぁ」老婆なりに色々な感情があるのだろう。
れ「お婆さん、杖を振ることはできますか?」《いかずちの杖》が振れるなら、立派に戦力になる。
婆「えぇえぇ、もちろんですよ。
いつもクローケーで鍛えてますからね!そのあと温泉に浸かるのよ」
老婆は名をカーラと名乗った。マイラの村に住む68歳のお婆さんだ。
村から出て、戦闘を試してみる。
年の甲、とでもいうのか、魔物の姿を見ても無暗に怯えたりはしないのだった。他人が戦闘をするのは見たことがあるし、魔法を撃つのも見たことがあるようで、「この杖を振りかざせば炎の魔法が出ます」と教えるとすぐに理解するのだった。そして、「きえー!」と奇妙な声を上げながらも、怯えることなく杖を振りかざす!
杖から炎の帯が出ると、術者自身にも多少の重力が掛かる。カーラはその重力に耐えきれずよたよたと後ろ歩きしてしまうのだが、気にしない、屈しない。そして慣れてくるとあまりよろけずに踏みとどまれるようにもなってくる。
《いかずちの杖》による《ベギラマ》のダメージは結構強いので、こんなヨボヨボのお婆さんでもその仕事さえきっちり行ってくれるのなら、頼もしい戦力になるのだった。やはり、やる気は大事だ。
《いかずちの杖》がこんなにも色々と役に立つとは、れいは思いもよらなかった。謙虚に譲ってくれたサーヤに感謝したくなる。
そしてカーラの雄姿に感心しているうちに、北の祠に辿り着くことが出来た。
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