エピソード151『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』
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- 2024年5月2日
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エピソード151
あちこちで、魔法が発動しないことに戸惑いの声が上がっている!
キ「みんな!魔法が封じられたわ!!」
な「えぇー!?」
ゆ「やっぱり!」
ア「どうすんだよ!!」
ラ「君たちは、魔法で戦うパーティだろう?」
キ「どちらかと言えばね(汗)」
ラ「ぬぅぅぅ。
・・・よし。わかった!」
ラミアスは何かを思いついたらしい。
ラ「アミン!少し隙を作れるか!」
ラミアスはアミンに、アークデーモンの足止めを請うた。
ア「わかった!」とアミンは答え、アークデーモンに近づきつつも、こっそりキキに目配せをした。
キキはそれを見逃さなかった。
「僕が足止めをしているフリをして、キキも足止めに加勢してくれ」と伝えたかった。
そしてそれは伝わっていた。二人の以心伝心は凄まじかった!
アークデーモンはラミアスの姿に気を配りつつ、アミンに構えを向けた。
ア「うぉぉぉぉ!」アミンは大げさな声を上げて、アークデーモンに斬りかかる!
アークデーモンの注意がアミンに注がれた。
今だ!キキはどこかの魔物が捨てたヤリを咄嗟に拾いあげると、アークデーモンの背後から敵の延髄をピンポイントで突き刺した!
ア「うぐぅ!!」
さすがの怪物も、急所を不意打ちされれば少々の動揺は生じた!
すると!
ラ「うぉぉぉぉぉ!!!」
その隙にラミアスは、アークデーモンの正面に、懐まで入り込んだ!
そして、敵のこめかみに両手の指を突き刺す!!
ラ「うぉぉぉぉ!!!」
魔力のような煌めきがラミアスの体に漲っていく!
ア「ま、魔法は、使えないよ!!」
ラ「うぉぉぉぉ!!!」
エネルギーの沸騰はまだ膨らんでいく!!
ラ「これは魔力を使わない魔法。
アミン、心優しきその仲間、さらばだ。
あとは頼んだ!
《メガンテ》!!!」
ドゴォォォォ―――ン!!!!!
アークデーモンの頭上からすさまじい爆発が起こった!
アミンもキキも衝撃派で吹き飛ばされる!
爆風が収まる・・・
なんと、アークデーモンは木っ端みじんに消滅した!!!
しかし・・・
ラミアスの姿もそこにはなかった・・・!!!
ア「どうなったの!!??」
キキは、目を背けて静かに言った。
キ「《メガンテ》・・・。自爆の魔法よ。
マジックパワーではなく生命力を爆発力に変えて撃つ、禁断の秘儀・・・」
ア「ラミアス―――――!!!」
アークデーモンが消滅すると、奴の放った《黒い霧》も消滅した。魔法が使えるように戻ったのだ。
そして将軍を失い、敵の軍勢は怯み始めた。
キキは両手に魔力を集中させる。
キ「みんな伏せて!
《イオラ》ぁ!」
キキは《イオラ》を連弾で放った!
魔物たちはほぼ壊滅した。残りも虫の息だ。
あの禍々しい黒いものから、新たな追っ手はやってこない・・・。
一行はしばしの休息を得るのだった。
これですべてが終わったとは思えないが、少しは休止が必要だ。
アミンの周りに皆が集まってくる。
ア「ラミアス―!!」
アミンは拳を地面に打ち付け、悔しがりながら泣いている。せっかく出会えた同族が、出会ったそばから散っていった。それは悲しいに決まっている。
しかし、キキは厳しかった。
キ「アミン。涙を拭いて。
泣いていたら、感情的になったら、ここから先へは進めないの。
感情的になったら、間違いなくその乱れを突かれてやられる」
ア「わかってる。わかってるけど・・・」
アミンはまだ、わかりきってはいないのだった。
キ「知ってる?アミン。わたしは知ってるの。
ラミアスみたいな真の英雄は、死ぬ覚悟が常にあるのよ。
そして、自分の自己犠牲に仲間が悲しむのは嫌なの。
自分の死を活かしてほしい。それだけを願っているの」
アミンは必至に涙を止める。