エピソード155『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』
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- 2024年5月2日
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エピソード155
エ「ぬぅぅぅ!」
エビルプリーストは両手を勢いよく前に突き出した!
なんと10本の指の爪がムチのように伸びて4人に襲いかかってくる!
「うわっ!」
エ「はっはっは。
我れが直接戦ったってよいのだよ。
そこいらの冒険者になど負けはせんさ。
しかし、それぞれにやりたいことがあるものだ。それを見守るのも我の役目。
それに、世界のことも気にかけなければならん。ああ忙しい」
エビルプリーストは《バギクロス》を唱えた!
追い打ちをかけるように無数の風の刃が4人を襲い掛かった!
エ「貴様らばかりにも構ってはおれん。
シルヴァヌスは世界に散らばせると厄介だからな」
そうつぶやくと、再び禍々しい穴から多数の魔物を召喚した。これまでよりも多くの魔物が、ずらずらと這い出てくる。
エ「逃げたシルヴァヌスを追え。まだ山の外側には出ておるまい」
エビルプリーストが指令を出すと、魔物たちはキキの開けた頭上の穴から素早く飛び出した!
ア「まずいぞ!
数や範囲を広げられちまうとこっちが不利だ!」
キ「さぁてどうやって戦おうかなぁ。
私はね、極力なら戦いたくないの。ぼかすかやるのは嫌いよ。
『戦う』のではな『滅する』ために、ななたちに力を貸したつもり」
エ「軍勢の前におぬし一人で何が出来る!
虚勢を張るなど勇者らしくないぞ。はっはっは」
キ「勇者じゃないわ。勇者はスポーツの得意な男子たちの役目。
でも男子たちはスポーツばっかで人助けしないから、私が出動することにしたワケ。
勇者じゃないから、勇者と同じことは出来ないの。
でもね、マネっこなら出来るのよ。
あっさりと終わらしてしまうけれど、それでもよくて?」
エビルプリーストは内心でたじろぐ。
必殺の爪を、今度は右手の5本まとめてキキへと放った!
しかしキキは高速の鋼鉄の爪をも瞬時に見切り、爪の束を掴みとると、そのままムチを振るうようにエビルプリーストの巨体を投げ飛ばした!4メートルもある巨人を!
ビダ――ン!!
エビルプリーストは尻もちをついて、体にもプライドにもダメージを受ける!
エ「な、なんだと!
貴様、魔法使いではなかったのか!?
キ「へへん。誰も魔法使いだなんて名乗った覚えはないわよ。
いつも魔法を使ってたってだけ。
格闘技が苦手なんて、いつ言ったっけ?」
キキは格闘技や剣技にも長けるのだった!