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エピソード201 『天空の城』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2024年7月22日
  • 読了時間: 12分

更新日:2024年7月24日

エピソード201


マスタードラゴンは次は、嬉しそうにデイジーを見つめる。

マ「デイジー、そなたはどうする?」

デ「オレは《はやぶさの剣》を探して旅を続ける。

 いや、死ぬまで見つからないとしても別にいいんだ。

 人生には、とりあえず目標があったほうがいいからな。そうじゃないと無気力になっちまう」

れ「それでも少しはここで休んだらいいのに?」

デ「オレは集団行動に向いていないからな。皆オレを恐れるだろう。かわいそうだ」

マ「はっはっは。好きにするがよい。

 昔のように優しい人柄にも戻れるだろうに。皆に気を遣うのだな。

 こういう気難しい人間の偉業は、れい?そなたのような理解者が語り継いでやってくれ」

れ「はい。そのつもりです!」


デ「れい、おまえだってずっと1つの城には居られないだろう?」

れ「そうね。しばらく休んだら・・・また冒険の旅に出るかも」

マ「地上に魔物が巣食い続けているとしても、か?」

れ「はい。クシャトリアよりも弱いならば」

マ「・・・そうか。

 れい、そなたは次の人生が決まったよ。

 この人生を全うしたあと・・・


 そなたは、アンルシアという名前で生まれ変わるだろう」


れ「アンルシア?」

マ「ははは。どうでもいいことだった。忘れてしまってよいよ」

デ「オレのことは担ぎ出さないでくれよな!

 もう人の世は御免だぜ」

マ「はっはっは!優しい人たちの里に、生まれ落ちるだろうよ。

 そなたにはもう、輪廻転生の卒業証書を手渡せる。


 無欲で、そして自由な戦士よ・・・!」



―完―

エピソード201 『天空の城』


執筆ウラ話(≧∇≦)


遥か長い長い旅路!

このお話は、かなり尺が長かったと思います。それは意図的なものです。

私のガイド霊が「30万文字規模で書いて」と言ったからなのですが、それには目的があります。

私は少年ジャンプの冒険マンガを読んで育ちましたが、あまりに尺の長いマンガには「クドいな」と感じてしまったものでした(笑) 同じ過ちは犯したくないものです。

このお話がとても長いことには、商業的な打算はありません(この小説を書いても私の収入にはならないので(笑))。


読者さんに、「遥か長い長い旅」への憧れを抱いてほしかったのです。1週間のスパンでアンコールワットを冒険する旅も楽しいのですが、半年、1年と途方もないスパンでさすらい続ける旅には、独特の風情があるのです!どんな言葉で表せばよいのでしょうか?風情?感慨?感動?私にはわかりませんが、飽きるほどに長く、飽きてもその飽きを超越してさすらい続ける旅には、かけがえのない面白さがあるのです。そして膨大な学びがあります!

半年の旅行休暇など、簡単に取れるものではありません!それはよくわかっています。しかし、人生のどこかで一大決心をして、会社を辞めてでも、数か月や1年のスパンを設けてさすらうのも、悪くないでしょう。

あなたは間違いなく、「私の人生は感動的だった!」と思うでしょう!!


もう1つ理由があります。

この物語は、「ラノベと文学小説の中間」くらいの雰囲気で書いています。活字だけの本を読むのが苦手だった人にとっての、「活字の練習」になればいいなという期待があります^^


いずれ新作を書くとしても、これほど長文の物語にはしないと思います(笑)

(反響によるところもあります)



キャラ設定


れい

15歳 1月21日生まれ

身長155cm 45kgくらい

趣味 読書

特技 空想


デイジー

20歳 4月2日生まれ

身長162cm 55kgくらい

趣味 人間観察

特技 問題解決能力、気配を消すこと


セーニャ

12歳 3月1日生まれ

155cm 47kgくらい

趣味 空想

特技 親に従順であること


アンリ

18歳 6月22日生まれ

身長164cm 53kgくらい

趣味 おしゃべり

特技 歌



地名の中には実在するものも

地名の多くはドラクエ本編からの引用ですが、実際の地名を引用したものもあります。地名が同じなだけでなく、同じ様な風景があります。

プカシェルの村は、プカシェルという名前のビーチがボラカイ島にあります。やはり海色のキレイな浜です。

東メボンはドラクエ7のアボンではなく、カンボジアにある遺跡の名前です。

カンボジア・アンコール遺跡群からの名前の引用は、自著『僧侶だけで魔王を倒すには』のニャック・ポアンについで2つ目です。ちなみに同作アークボルトの遺跡も、アンコール遺跡群からイメージしています。

クスコという旧市街は南米ペルーに実在します。極彩色の鳥の姿を見かけます。

ラストダンジョンに相当するフォンニャ洞窟は、同じ名前の超大きな鍾乳洞がベトナムにあります。そのスケール、イメージで書いています。

地名が出てきてはいませんが、ロマリアからサザンビークに抜ける山で見た滝の絶景は、ラオスの「クアンシ―の滝」をイメージしています。



暗い話をあまり書きたくない

登場人物の背景描写が薄い、などというツッコミが入るのかもな、と思います。

しかし、ある人物がやさぐれているとき、その要因を悲しい描写を交えて事細かに説明する必要があるのでしょうか?現代アニメではそれを描くことが「深い」とされる風潮があるようですが、必ずしも良いことだとは、私は思っていません。

まず、話が脱線しすぎて冗長になりがちです。そして、物語を書くにおいて、「なるべく暗くしたくない」という思いがあります。話が暗いと、読んでいる人の精神に影響があるからです。胃が痛くなるようなお話を、私は書きたいと思わないんです。

人が過去に負った悲しみや苦労は、現在にその人の「深い言動」となって滲み出ます。現在の深みを見せれば、彼(彼女)が過去に苦労したであろうことは察せられます。それで充分ではないか、と私は思います。


また、そもそも「悲しいことがあったからやさぐれていても仕方ない」という考えが、私は好きではないのです。だから私の物語には、欠点の多い人はあまり出てきません。

「人は闇を抱えているものだ」と描くのが、物語の役目なのでしょうか?それも悪くはないと思います。しかし私は、「闇を克服して微笑み続ける人だっている」ということを描きたいのです。そういう人がいることを知っています。

これは良し悪しではないと思っています。



魔法じみた出来事をあまり書きたくない

ファンタジーが大好きな人々からすると、「話の内容が地味だな」と感じられるかもしれません。

そこにも敢えての意図があります。私としては、あまり魔法じみた出来事を書きたくないのです。これは魔法のバンバン飛び交うドラクエラノベと割り切っていますが、その一方で、「旅行記」のようなものにしたいと考えながら書きました。


魔法で扉が開いた!魔法で瞬間移動!とやればどんな起死回生な展開でも書けるわけなのですが、それではつまらない、と私は感じてしまいます。まぁ読む分にはそういうお話も嫌いではないのですけれど、このお話を書くにあたっては、RPGに興味のない、純文学や旅行記など愛読する人にも気に入ってもらえたら嬉しいな、という期待があります。


旅をする人や、旅に憧れる人にとって、リアルにワクワクする物語でありたいのです。そのためには、あちこちがファンタジーじみているよりも、「え?ひょっとしてこのエピソードの大半は実話なのでは?」とワクワクしてもらえるようなさじ加減がよいと考えて、筆を進めています(実際、私の旅の体験がかなりベースになっています)。

そのほうが、れいや登場人物に感情移入をしやすいのではないかと思うのです。

感情移入をして、「れいちゃんに出来るなら私にも出来るのではないか」と思ってもらいたい希望があります。


戦闘シーンも、ある意味ではつまらないでしょう。もっとバンバンと魔法を撃ったほうが爽快です。でも、「普通の少女が剣を握ったらどうなるか」というリアルをなるべく大切にしたいと思って書いています。



頻繁に教会に行くのは、ドラクエのオマージュです

れいは頻繁に教会に訪れて、神父に旅の報告をしますね。私はキリスト教徒ではないですし、キリスト教を奨励したい意図もありません。

ドラクエにおいて、ゲームデータをセーブする際に、勇者は教会に行くのです。そして「おいのりをする」というコマンドによって「ぼうけんのしょ」を書き換えていく、という形でセーブが行われます。そのシステムを小説の中ではアレンジしています。


ちなみに、実際の教会では、「懺悔」という行為で自分の行いを神父さんに吐露する自省の習慣があります。

ドラクエにおける「おいのりをする」はそれに近い行為なのでしょうし、れいの「旅の報告」もそれに近いものがあります。教会の神父さんは、もともとはカウンセラーのようなものだったようです。



セーニャ、リッカ、マヤ、アンリたちは実は・・・

前作『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』のラストで、大天使に従えていた大勢の天使たちは、キキに着いていくことになりました。

あの群れには100もの天使がいましたが、その多くはキキのことをたいそう気に入りました。「キキちゃんのようになりたい!」と思い、新しい主の忠実なしもべとなりましたが、だからこそ・・・天使たちの多くは冒険の旅に出ます!キキたちの旅を見届けた後、すぐに、人間として肉体転生をするレッスンに入ったのです。

その多くが、この『天空の城』のお話の時代を選んで生れ落ちました。

れいが出会った多くのたくましい女の子たち、セーニャ、リッカ、マヤ、アンリ、ガーデンブルグのラナ、ルナなどは、あのときキキと一緒に魔王と戦った新米天使たちなのです。マイラの村のカーラお婆さんもです。

彼女たちはその後、ドラクエの世界で数多くの輪廻転生を繰り返します。キキちゃんのように、強く優しく可愛くなりたいのです。

れいが出会わなかった天使たちもまだあちこちにいます。ひょっとするとあなたが旅をしている最中に、その天使たちと出会うことがあるかも・・・!?(^_-)-☆



みんなのレベルはどのくらい?

主要なキャラクターたちのレベルがどれくらいのイメージなのかを解説します。


フレノールで出会った3人組→Lv30くらい

後にれいのサントハイムでの冤罪を晴らしてくれる、気の良い冒険者3人組。

彼らはレベル30くらいの設定です。上級者と言えます。いっかくうさぎやドラキーがうろつくフレノールには普通はやってこない強さの猛者たちで、特殊な事情があってたまたま訪れたのですね。ねこまどうなど朝飯前ですし、世直しにも慣れており、簡単にサントハイムの大臣事件を片付けてしまいます。

実はあの戦士は勇者の資質を持った人で、遅まきで魔法も覚えていきます。れいの冤罪を晴らしたときに精霊ルビスから天啓を受け、勇者の魔法である《ライデイン》を感得します!彼は、「どこかに自分が支えるべき勇者がいる」と思っていました。勇者の盾になってやろうと思っていましたが、実は自分が勇者だったのです!


デイジー→登場時すでにLv90くらい

デイジーはメチャクチャ強いです!れいと出会ったときにもうレベル90くらいで、一人でラスボスを倒せてしまうくらいの勢いです。だから、戦闘中にちょっと足をすべらせてピンチっぽく見えても、剣を奪われても、マヒさせられようとも、本人はピンチと思っていないんです。どうとでも挽回できます。

道中の魔物もやまたのおろちも、瞬殺できてしまうのですが、れいの成長をサポートしたりれいに戦闘の連携を経験させたりする親心から、瞬殺せずにテキトーに戦っています。

道中でさらにレベルを上げ、エンディングでレベル95くらいです。

しかも、バーバラと同じように複数の職業でハイレベルな人です。戦士として95、魔法使いとして45、僧侶として40、というような感じです。要するにデイジーも勇者スペックです。


セーニャ→Lv3くらい

セーニャは、「へその試練」達成時でレベル3くらいです。

セーニャは崖登りでかなり2人に助けを借りており、戦うための腕力もありません。本来ならばレベル5くらいまで強くなってから挑むべき試練でした。


セレン→Lv15くらい

フズの神父セレンは、登場時はレベル15くらいです。彼は以前に僧侶としての修行を積んでいます。

れいとともに戦闘訓練を重ねてレベル20くらいに、ロマリアまで冒険してレベル22くらいになりました。

彼のその後は描かれていませんが、敵の弱いロマリアからなら一人旅でさらにどこかに旅立てる強さはあります。


ネルソンやサーヤ、護衛の志願者たち→Lv27くらい

サザンビークでチャゴス王子の護衛に志願した冒険者たちは、レベル27くらいです。

中級魔法は幾つも使えるが上級魔法はまだかな、という感じです。

このときのれいはレベル22くらいで、正攻法でぶつかったら勝てなかったでしょう。


アンリ→Lv5くらい

ジャングルに冒険に繰り出したアンリは、レベル5くらいです。

完全に、《いかずちの杖》と《魔法の法衣》のおかげでどうにかなっただけ、という強さです(笑)

魔法が使えるようになったわけでもなく、腕力が強くなったわけでもありませんが、足腰と度胸に関しては鍛えられて帰ってきました。


ユーリ→Lv28くらい

ガーデンブルグのユーリは、レベル28くらいです。ネルソンたちが27くらいですから、かなり強いです!

ガーデンブルグの他の女兵士たちもレベル25くらいです。

ユーリはガーデンブルグの兵士隊長です。

ラナやルナなど兵士でない住民たちも、レベル15くらいあります。これは結構強いです。


マローニ→Lv35くらい

プカシェルビーチで絵を描いていたマローニは、レベル35くらいです。

ガーデンブルグに居たころは25くらい。そこからさすらいながらレベルを上げてきました。


れいの強さは・・・

れいは順を追って見ていきましょう。

旅立ちの時点ではレベル2です。戦う覚悟はあるよ、という感じ。

王都サントハイム到着時はレベル6。

イムルの塔をクリアしたときはレベル12。

デイジーと出会った頃はレベル14。

アライゾのへその試練同行時はレベル18。

フズで一人旅を再開した頃はレベル20。

サザンビークの《いかずちの杖》争奪戦の頃はレベル22。

ガーデンブルグ到着時はレベル25。

竜王討伐時はレベル32。この辺りから上級者の仲間入り。

貨物船で海賊を蹴散らしていた頃はレベル34。

海賊のお宝探索の洞窟ではレベル35。

天空の城に謁見時はレベル38。歴代の勇者一行が魔王を倒すレベルくらいです。

バーバラの修行を経て、魔法使いとしてはレベル70くらい!戦士としてレベル50くらい、僧侶としてレベル40くらい、という感じ。鉄球を振り回す戦士としてもラストダンジョンの魔物たちが怯えだすレベルです。

れいは魔法使いとしての素質がやや高く、それぞれの攻撃魔法の習得が、適正レベルよりもやや早いです。

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