エピソード21
3人は少しずつ後ずさりながら、絶望的に燃えさかる火を茫然と見ていた・・・
その時!
ぴしゃーーーーーー!!!!
豪快な氷の嵐が、火の山を埋め尽くしていく!!
ハ「なんだこれは!」
ゆ「た、助かったの・・・!?」
な「アミン・・なの?」
炎と煙が霞み、3人の上空に浮いていたのは・・・
なんと、アミンの里の族長だった!
長「やはりお前たちだったのか・・・!
森を荒らすなとあれほど言ったのに!!」
ゆ「ごめんなさい!悪気は無かったんです!」
長「して、アミンもお前たちと居るのだな?」
な「ごめんなさい!ごめんなさい!」
長「ひとまずノビスの里に戻るぞ」
一行はノビスの里へと引き返した。そしてその途中、燃え上がる火を見て状況を察したアミンが、必死の形相でこちらに駆けてきて、合流へと至った。
ア「じ、じいちゃん・・・!」
長「アミン」
ア「な、何がなんだか・・・!!」
一行は里に戻った。
里も大騒ぎだった。
火が無事に鎮火したことは族長が皆に説明し、それで皆は納得した。
そしてまた5人だけになり、里のはずれに丸くなった。
長「・・・何から叱っていいかもわからん!
アミン、お前が着いていながら・・・
それ以前に、なぜこいつらに着いているのか・・・」
な「ごめんなさい!!火事になったのはアミンは関係ないの!!」
ゆ「そうなんです!アミンは悪いことしていません!」
長「おまえらが、アミンを誘拐したということか?」
ア「いや・・・」
ハ「アミンは自分から着いてきたんだ。里を出たいってよ」
長「アミン」
ア「じいちゃん!
僕、里を出て外の世界が見たかったんだ!ごめんよ!
ちょっと目を離してしまったら、こんなことになっちゃって・・・」
長「よい。好きに旅に出るがいい」
ア「え?」
長「よいよい。里にはもう、2度と帰ってくるな。
私の目が黒いうちは、二度とワフルの中には入れさせん」
長は静かに、厳しく言い放った!
ア「じ・・・い・・・ちゃん・・・」アミンはわなわなと崩れ去った。
な「アミン・・・!」
長「おまえらはアミンの心配をしている場合ではない。
ここはまだおまえらの国の領地内。そこで山火事を起こしたということは?
入山許可証も出さずに山深くに踏み入ったその愚行は?
帰っても、間違いなく、法に裁かれる。お前らは、お尋ね者だ」
ゆ「完全に、退路を断たれてしまった・・・!?」
長「そのとおりだ。もう前に進むしかない。
旅の中で死んでしまおうが、もう私は助けはしない。
そしてこのドワーフのクズのおもりをするんだ。
もう・・・退路はない!!!」