エピソード24『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』
- ・
- 2024年5月1日
- 読了時間: 3分
更新日:2024年6月30日
エピソード24
一行は酋長のもとへと駆け寄った。
ア「酋長さん!」
酋「やぁおはよう!おはよう!よく眠れたようだね」
ア「そうですとも。効きの強いお酒をずいぶん飲まされましたからね」
酋「うん?どういう意味だね?」
ア「僕たちの全財産が、寝てる間に失くなっていたんです。
何か、心当たりがあるのでは?」
酋「なに!?それは大変だ!
わしが全面的に、犯人捜しに協力してやろう!」
な「えっ?」
酋「そうだなぁ。旅人を狙った盗難は時たま起こるものだ。
犯人は大抵・・・キラーパンサーかおおねずみの仕業だよ。
うん!そうなんだ!キラーパンサーだとまことに厄介だ!ヤツは強い!
でも大丈夫だ。わしが味方するし、腕のいい魔法使いだって助っ人に呼べるぞ!」
ゆ「えっ?えっ?」
酋「おぬしらはどちらが犯人だと読んでおる?
やはりキラーパンサーかね?」
ア「いいえ」
酋「そうか。まずはおおねずみを当たってみるか」
ア「いいえ。酋長、あなたを疑っています」
酋「なんと!わしが犯人と言うか!
わはははは!それはない!」
ア「なぜそう言い切れるんです?」
酋「この家の中を見渡してみなさい。どこにもありはしないだろう」
ア「そんなんじゃ無罪の証明にはならないよ」
酋「おぬしら・・・
この里の最高権力者を犯罪者と疑うのか?」
ア「失礼ながら。はい」
酋「うぬぬぬぬ。
はっはっは!よいよい。わしは懐の深い男。
おぬしらが納得いくように、無罪を晴らしてみせよう」
ア「と言うと?」
酋「おい助手!東のシャーマンを呼んできなさい」
助「はい只今」
ゆ「シャーマン?」
酋「そうだ。この村には2人も優秀なシャーマンがおる。
東のシャーマンは透視を得意とし、どんな犯罪者だって見破れる!
だからこの里はいつまでも平和なのだよ!」
まもなく、東のシャーマンとやらが駆け付けた。
東「酋長。今日はどのようなご用で?」
酋「ハーオ!いい天気だな。
なぁに、私の大切な客人が、お金を盗まれて困っておってな。
わしが礼金は肩代わりするゆえ、犯人を透視してやってはくれぬか?」
東「透視の依頼ですか。わかりました。
ちょっと準備をしなくては」
そう言うと、東のシャーマンは何やら野草のようなものを煎じ、葉巻にし始めた。
ハ「いや、一服とかしてる場合じゃないんだよ。
早く仕事をしてくれないか?」
東「そう焦りなさんな!一服ではない。
この煙を吸うことでシャーマンのチカラがみなぎるのだ」
東のシャーマンは葉巻に火を点け、煙を吸い始めた。
東「うーん。イイカンジだ。ハイになってきた。いやダウンか?いやハイだ」
な「なに言ってるの??」
ア「この匂いは・・・」
酋「まだかね?今日は特別急いでやってくれ。大切な客人だからな」
東「うん視えてきた。
おぬしら昨日、脚の1つないデスジャッカルと戦ったろう?」
ハ「え、なんでわかんの!?」
東「透視のチカラがあるゆえ!」
な「すごぉーい!本当に透視が出来るんだぁ!」
東「そう。そのデスジャッカルがおぬしらのお金を盗んだ犯人!」
酋「うーん!申し訳ないことをした!
キラーパンサーでもおおねずみでもなかったようだ。すまんすまん。
しかし、犯人がわかって良かったな!
これにて一件ら・・・」
ア「ちょっと待って!」
酋・東「!!!」
ア「シャーマンさん。
あなたが吸ったその葉巻、マリハナの葉では?」