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エピソード25『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2024年5月2日
  • 読了時間: 2分

エピソード25


ア「シャーマンさん。

 あなたが吸ったその葉巻、マリハナの葉では?」

東「ん?い、いや、えぇっと・・・

 おぬしはドワーフか?」

ア「えぇまぁ。

 それより、質問に答えてください」

東「そ、そうだが。

 それが何か?」

ア「その葉巻を吸わずに、透視は出来ます?」

東「いや、えーっと・・・

 昔は出来ちゃったような気がするが、さ、最近は調子が悪くてね」

ア「マリハナがないと透視が出来ないのに、優秀なシャーマンを名乗っているの?」

東「えぇ、いやまぁ。この里では優秀なほうさ。年も重ねておるし」

ア「この人はシャーマンでも何でもないよ。

 マリハナの煙を吸ったら、誰だって霊視が視えるんだ」

酋「よいではないか!何かに頼ったところで、答えを導き出せるなら!」

ア「マリハナは良い植物じゃないんだ。

 これを吸って視る霊視は、すべて悪魔が視せているデタラメなんだ」

東「そんなことはない!

 マリハナは聖なる植物だと、私の師もそのまた師も語っていたぞ!」

ア「師が語っていたからって真実とは限らない」

東「うぬぬぬぬ!」

ア「酋長?」

酋「しかし・・・

 それはわしが犯人だと証明する理屈になるのか?」

ア「!!!

 あ・・・そ、それは・・・」

酋「失礼な奴じゃ。

 まぁよい。わしは寛大なのじゃ。だから部族を束ねる長を任されておる。

 よいよい。すべて許してしんぜよう。

 やはり本当の犯人はキラーパンサーだったのかもしれんな。

 こやつにはもうマリハナを使わないように、言って聞かせておいてやるからな。安心せい!

 しばらく里でゆるりとしていっても良いぞ。わしはまったく怒っておらん。

 《やくそう》も売ってやる。 西のシャーマンはもう少し誠実なヤツじゃ。安心せい」



4人は酋長のテントを出た。

な「この村、善い人じゃないってことでしょう??」

ア「そういうことだ。簡潔に言えば。

 一刻も早く出たいところだけど、《やくそう》の補充がしたいのは実情なんだよなぁ」

ハ「とりあえず西のシャーマンとやらにも会ってみようぜ?

 《やくそう》が偽物なら買わなきゃいいんだ」

ア「まぁそうだな」

4人は里の西側を歩いた。

野草の干したものやらをぶら下げた、ひと際奇妙なテントがあり、すぐに尋ね人の察しはついた。


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