エピソード26『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』
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- 2024年5月1日
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エピソード26
ア「入るよ?」アミンは物おじせずにテントのすだれをくぐる。
西「ハーオ。旅人が来ていると聞いている」
ア「《やくそう》を2~3追加したいんだ。ある?」
西「《やくそう》を売るのは私の仕事ではない。それは道具屋へあたってくれ」
ア「そうか。じゃぁあなたに用はないみたい」
ハ「待てよ!
なんか、シャーマンに魔法を教われるかもとか言ってなかったか?」
ゆ「そうだけど・・・」
西「いかにも。私は魔法を得意としておる。
キラーパンサーの討伐も請け負うが、魔法の儀式も可能だぞ。
うむむむむ。そこの戦士の少年。おぬしはすごいチカラを秘めておるな。
もっともっと強い戦士になりたいと、志しているのであろう?」
ハ「え?オレ?強い戦士になれるのか?」
西「もちろん。すさまじいチカラを秘めておる。
そんなおぬしに打ってつけの魔法もある。
《バイキルト》だ。攻撃力が2倍になる!まるで別人のごとくだ!
ハ「すげぇ!オレ、《バイキルト》覚えられんの!?」
ゆ「え、でもハヤトは・・・」
ア「ゆな口を挟むな。最後まで話を聞こう」
西「まぁそう焦るな。
《バイキルト》は素晴らしい呪文。この世の秘儀!
おぬしは素晴らしい素質を秘めているが、イニシエーションが失敗することもある。ごく稀だがな。
まぁあれだ。仮に失敗した場合だが、お布施は半額でよい」
ア「お金とるってこと?」
西「当然だ。余所者ならば特にな。そういうものだろう」
ゆ「ごめんなさい私たち、お金が・・・」
ア「いや!」アミンは素早くゆなを制した。
ア「お布施は幾らなの?」
西「普通は1000ゴールドだが、よしみのドワーフがいることだし、特別に500ゴールドにマケてやろう」
ア「失敗しちゃった場合は?」
西「そうだな。250ゴールドだけくれればいい」
ア「そうか。ハヤト!やってもらったらいいんじゃない?」
ハ「え、いいのか?やったぁ!!」
ア「みんな、余計なおしゃべりをするなよ?
静かにしててあげないとね」
西のシャーマンはテントの外に出ると、地面に魔法陣を描いた。
その真ん中にハヤトを座らせると、何やら儀式を始めた!
西「△§ΦБζщΖ・・・」
ハ「ドキドキ!」
西「むーん。はっ!!」
しかし、なにもおこらなかった!
西「うーむ残念。儀式は惜しくも失敗だったようだ」
ハ「えぇー!!マジかよ!?」
西「おぬしは少し、心が昂ぶりすぎていたな」
ハ「なに?オレのせいなのか?
ちょっともう1回やってくれよ!」
西「何度やっても同じだ。
もう一度払うか?料金を」
ア「ハヤト!もう諦めてくれ!
西のシャーマンさん。そのお金の件なんだけど・・・
僕ら一文無しでさ。今払えないんだ。
外で魔物倒して稼いでくるから、ちょっと待っててくれる?」
西「なに!?金を持っていないのか?
宝石のままでもよい。換金は特別に、私が自分でやってやろう」
ア「その宝石もないんだよ。だからモンスター倒してくるから」
西「むむぅ。そうか。
仕方がない。では日没までは待ってやろう」
ア「そっか!ありがとう!!」
さぁ行こう!とアミンは3人の背中を強引に叩き、里の出口へとそそくさと向かった。
ア「はぁあ疲れた」
ゆ「なんか展開が早すぎだわ!」
な「もう少しテントの中とか見てみたかったなぁ。男の人も三つ編みして、なんか面白かったよ♪」
ア「もう!呑気なもんだなぁ!
この集落で学習すべきことは何か、わかった?」
ハ「酒は危ない!って言いたいんだろ?」
ゆ「マリハナが危険だってこと?」
な「うーん。なんだか怪しい?」
ア「そう。シャーマンなんてみんな怪しいってことだ。
損失が微宝石80個で済んだのが、不幸中の幸いだよ」
な「じゃぁ、とりあえず魔物倒してお金返さなきゃね(汗)」
ア「いいや。お金なんか返さずに、このまま永遠にホぺから離れるんだ」