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エピソード30『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』

エピソード30


ゆ「ちょっと待って!

 ところで私たちは、何を協力してあげればいいの?」

リ「えぇと、そうですね。わたしが出来るだけ話してみましょうか。

 森は火災で焼けてしまいました。

 これは、《春風のフルート》で治療が出来ます。

 しかし、わたしたちの里の《春風のフルート》は、何者かに盗まれてしまったのです」

ハ「どこかの洞窟に、盗っ人退治に行くんだな!」

リ「いいえ、違います。

 それも方法の1つですが、犯人が誰かもわかりませんし、無用な争いを避けたいのが妖精です。

 《春風のフルート》自体は、さらに西の妖精の城まで行けば、女王様が分けてくださるはずなんです。

 1本で完結するものではないので。

 しかし、お城に入れる妖精が、わたしたちの里にはいないのです・・・」

な「お城に、入れない!?」

ハ「さまようよろいの番兵を倒さなきゃならないとか、そういうことか?」

リ「いいえ、戦闘ではありません。

 だから、オーラを観察してあなた方に声をかけたんです」

ゆ「オーラを!?」

リ「はい。色々な色のオーラを、人はまとっているものです。

 おそらく、ですが・・・

 ブルーのオーラの高い人でないと、お城に入れてもらえないのです」

ゆ「そんな人、このパーティにいるの?」

リ「あなたです!」

ゆ「私!?」

リ「ゆなさんは、大きなブルーのオーラをお持ちです!」

ゆ「嘘!?そんなの知らないよ!」ゆなはキョトンとしている。

リ「芸術が、得意なのではありませんか?

 あわよくば、笛を習ったことがおありなのではありませんか?」

ゆ「学生時代、クラリネット吹いてたけど・・・」

リ「やっぱり!

 エルフと一緒にぜひ、フルートを吹いてください!」

ゆ「でも人様に見せられるほどのもんじゃないから、音大に行くのはヤメちゃったんだよ(汗)」ゆなは戸惑っている。

リ「超人的である必要はないようです。それなりに吹けるのならば」

ゆ「いいなぁ♪妖精と一緒にセッションなんて!」

な「あ、あ・・・」ななはママに置いていかれそうな幼子のように慌てた表情をした。

ゆ「どうしたのなな?」

な「ううん。なんでもない!」

リ「わたしもあまり詳しくはないので、まずは里でポワン様に会ってください」

ゆ「わかった!手伝わせて」

リ「それでは、次は私たちの里で待ち合わせいたしましょう。

 私たちも少々、姿をくらましながら暮らしています。

 早朝、皆がまだすやすやと眠る頃、西の砂漠の向こうのオアシスに、エルフの里が姿を見せます。

 8時を過ぎてしまうともう時間切れです。

 その時間にわたしたちをお訪ねくださりますか?」

エルフのリラはふっと姿を消してしまった。

な「わぁ!消えちゃった!」

魔法にも色んなものがあるんだな、とななは感心した。



4人は明日の早朝まで時間潰しをする必要が出来た。

まぁ疲労困ぱいの体だ。休息日であることはありがたい。

武器を買わないならお金には少し余裕があると見え、昼下がりには美味しいスイーツの店などないかと、町を物色した。そしてしばしまったりと過ごすのだった。

ゆ「そういえばなな、さっき何か言いたそうだったでしょ?リラがいたとき」ゆなは人の困りごとに敏感だ。

な「え?あぁ、何でもないのぉ」

ゆ「何でもないことないよ!」

な「うーん。

 あのね、小さい頃わたしも、音楽が大好きだったこと思い出したの」

ハ「おまえは柔道娘だろ!」

な「音楽も好きだったのぉ!」

ゆ「そうだったんだ!声優に憧れて、歌も歌ってたの?」

な「歌も好きだったし、リコーダーを吹くのが楽しかったよ♪

 でも・・・」ななの表情が曇った。

ゆ「でも?」

な「ほら見て?わたしね、小指がめっちゃ短いの!

 だからリコーダー吹くのが上手く出来なくて。吹奏楽部も興味あったんだけどね。

 先が見えないから、『音楽は諦めなさい』ってママに止められちゃった」

ハ「ホントだ!小指短っ!」

ゆ「そっかぁ。じゃぁもし、小指が普通だったら・・・」

な「もっと音楽に夢中だったかも!」ななははにかみながら吐露した。


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