エピソード6『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』
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- 2024年5月1日
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エピソード6
な「ねぇハヤト、日傘ある?」
ハ「ねぇよそんなもん!」
な「えぇー、キャンプ道具色々持ってきたって言ってたじゃぁん」
ハ「日傘はキャンプ道具じゃねぇし!」
な「だってぇ日差しが強いじゃん」
ハ「うっせぇなぁ女は。
よし、そっちの道に反れよう!」
ハヤトは日陰がちの方向を指さして言った。
ゆ「道って!道なんてなくない!?」
ハ「うっせぇなぁ、ゆなも日焼けしたくないんだろ?
おまえらのために涼しげな方に進んでやろうって言ってんだ」
ハヤトは「涼しげ」と解釈したが、ななやゆなからするとそのあぜ道は、「不穏な空気が漂っている」ような気がしなくもなかった。しかし強い日差しを避けたいので、2人はハヤトに従った。
な「わぁ!なんか珍しいお花咲いてるよぉ♪」
ななはまた何かを見つけてゆなを呼んだ。
トケイソウのような珍しい形をした花だった。
な「かわいいー♡なんかファンタジーの世界みたぁい」
ゆ「可愛いっていうか・・・熱帯植物みたいな生態系になっているような?」
な「ほら、またー!」
ななはまたも何か珍しい花を見つけて興奮した。
な「ヘンなのぉ」ななが近寄り、触ろうとすると・・・
バチン!!
なんとその花は、不意に生き物のように動き出した!
な「ひゃぁ!」ななは寸でで手を引っ込めた。「びっくりしたぁ」
ゆ「も、もしかして、魔物!?」
ハ「バカだなぁ。食虫植物だろ?ハエを食う植物とかいるんだよ。熱帯雨林のどっかにはさ。知らねぇのか?無知だなぁ」
ゆ「ここって熱帯雨林だっけ・・・?」
な「なぁーんか、日がかげってきたら寒くなってきちゃったなぁ」
ななは両手で腕をさすりながら身震いした。
ハ「暑いとか寒いとかワガママだなぁ」
山はたしかに、日が照ると暑いが日が陰ると急に寒くなる。
「寒いというか、不穏な気配がする」とゆなは感じていた。
ゆ「ね、ねぇハヤト?
山奥とか森の奥とかにはまだ魔物が残ってるとかって、噂なかったっけ・・・?」
ハ「魔物?そういうのもいるんだろうけど、こんなところに居やしねぇよ。観光地のすぐ近くだぜ?」
ゆ「そうだけど・・・」
ハ「魔物以前に、クマだってサルだって結構狂暴だかんな!
動物も魔物も変わんねぇよ、はっはっは!」
な「ハヤト、サルなら倒せるのかぁ。頼もしいなぁ」
ゆ「そうは言ってなくない・・・?(汗)」
道はだんだん林続きとなった。
ゆ「ねぇ、私たち何のために歩いてるんだっけ?そろそろ戻ってバンガロー探そうよ」
ハ「何のためもねぇよ。冒険ロマンだ。まだ何も見つけてねぇぜ?」
な「でも寒くなってきたよぉ」
ハ「林を抜けたらまた暑くなるよ。太陽はまだ高いだろ」
な「そうかなぁ・・・」
そのときだ!
ガサガサ!
背後の茂みからサルが襲いかかってきた!
キキ―!!
な「きゃぁ!」ななはおどろきとまどっている!
ゆなとハヤトは逃げようとしたが、ななは腰を抜かし、その場にしゃがみこんでしまった!
な「待ってぇ!」
ゆ「なな!」ゆなはななの叫び声に気づいた。
サルが飛び掛かってくる!
ゆなはななの元に駆け戻り、ななを抱えてそのまま身を伏せた!サルの攻撃をかわした!
サルはひるまず、再びななのほうを向いて体勢をとった。
ハヤトは棒切れを拾い、後ろからサルに殴りかかった!
ハ「こんにゃろ!」
サ「キィィ!!」サルは攻撃を受けたがひるまず、ハヤトに飛び掛かり腕にかみついた!
ハ「うわぁぁぁ!!!」ハヤトは必至にサルを振り落とした!
サルはハヤトには向かわず、なおもななに向かって臨戦態勢をとる!
ハヤトは、サルの敵意が自分に向いていないことに気づくと、重いリュックを捨てて遠くに走り逃げた!
ゆなはななの元から駆け出す!
な「あぁ、待ってぇ!怖いよぉ!!」ななはまだ動けない!
サルはキーキーと耳をつんざく鳴き声で威嚇をする!
そしてまた、ななに襲い掛かった!
な「きゃぁ!!!」
ザクっ!!!
ブシュっ!!!
周辺には派手に、赤い血が飛び散った。