エピソード63
キ「でも、それもずっと昔の話。
吟遊詩人がさすらった後に出来た町だってあるでしょう。
結界が張られていたって入ってくる魔物もいるでしょう」
ゆ「だから妖精の城は、霧で隠した?」
キ「正解~♪まぁなんていうか、センスの問題でもあるけどね」
ア「それにしたって、魔物が町を襲うハナシってあまり聞かないな」
キ「時代によるわ。魔物たちにも文化や流行みたいのあるのよ。
積極的に人間を襲った魔物たちもいるわ。
今の魔物・・・かそれを支配する者は、侵略にはあまり興味がないのかもね。
別に人間の領土を奪わなくても、好き勝手に暮らせる土地はあるんじゃないの」
ゆ「誰が、支配してるの?」
キ「知らないわ」
ゆ「えぇ?」
キ「わたしが世界のすべてを知ってるわけじゃないわよ(笑)
エルフたちの見聞きした情報は集まってくるけど、人間や魔物の支配者と会談するでもないもの」
ア「ふぅん」
キ「『魔王』という者が居るのか、それすら知らないわ。
大神官ハーゴンと破壊神シドーが討伐されたあと、それに代わる者の噂はない。
けれど噂はなくたってどこかにいるのかもしれないし」
ア「今の闇の支配者は、人間たちの相討ちを狙ってるって、じいちゃんから聞いたことあるよ?」
キ「そうね。そういう魔王がいるのかもしれない」
な「普通ロープレって、魔王を追いかけて旅するんだよ?」
キ「そうね。でも、違う目的で旅する冒険者がいたってイイんじゃない♪
人助けだとかナントカやってれば、そのうち強大な敵に出くわすこともあるかもしれないわ」
な「えぇー、ヤだなぁ(汗)」
キ「どっちなのよ!
まぁ気持ちはわかるわ。わたしたちの場合、『見聞』とかナントカそういう目的でさすらっていればイイんじゃないかしら」
な「良かったぁ♪」
「でも、闇で暗躍する支配者なる者に、興味がないわけでもない」そう感じるゆなだった。
珍しくシリアスな話で思慮を深めているのに、それを魔物が妨害してきた!
彼らに不都合な何かがあったのだろうか?
プチアーノンの群れがあらわれた!
小さなイカのような魔物である。
な「きゃぁぁかわいいー♡」ななは近寄って手を出した!
ビビビビ!プチアーノンAはヘラヘラ笑いながら痺れる触手で握手してきた!
ななはマヒしてしまった!
キ「もーぉ、おバカさん!
かわいいものを何でも好きにならないように、教育しとかなきゃね!」
キキは《ギラ》を唱えた!
アミンのこうげき!
ムチに持ち替えて魔物全体をなぎ払った!
しかしプチアーノンたちは、あかんべーをしながら素早く身をかわした!
プチアーノンBのこうげき!
プチアーノンBは浜辺にお絵描きをしている。
ゆ「なんなのよコイツらは!!!」
キキのこうげき!
キ「きゅあきゅあぁぁ~、
《ラナリオン》!」キキは魔法で、小さなヒツジ雲をたくさん放出した!
キ「ほーら、ヒツジさんは何匹?」
プチアーノンたち「ひつじが1匹、ひつじが2匹、ひつじが3びき、グー・・・」
なんと、プチアーノンたちは眠ってしまった!!
な「きゃはははははは!」
ななはマヒしながら大笑いしている!
ゆ「アンタはだまってなさい!」
ゆなは《メラ》をとなえた!
キキは《ギラ》をとなえた!
プチアーノンのむれをやっつけた!
一行はやがて、お目当ての町に到着した。
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