エピソード64
セーニャは天使の杖を思いきり振りかざした!
セ「えぇーい!」
すると・・・
セーニャの体力が回復した!
杖を振りかざした途端、セーニャの体が微量に青白く光ったかと思うと、みるみるうちに傷口が塞がり、筋肉の痛みが薄らいでいったのだ。
セ「やったぁ!・・・のかどうかよくわからない!!」
体力を回復したら、魔物は自分で倒せということなのだった。
セーニャはまた泣きたくなった。こんな見たこともない獣を倒せるわけがない!コウモリとはわけが違う!
無理だ!と思ってまた目を閉じると、そこでは再び、あどけない日のれいが、こいつらよりもっと狂暴で大きなサルと戦っている姿が見えた。
あのサルよりはマシだ!!
セーニャは泣きながらも、再び勇気を取り戻した!
2匹の魔物はセーニャに襲い掛かってきた!
ももんじゃが現れた!
死に物狂いとはこのことだ!もう何もわけがわからない。まるで《メダパニ》を食らった戦士のように、セーニャは泣きながら《聖なるナイフ》を振り回した!剣技のけの字もないが、そんなことはどうでもよかった。魔物が引っかいてきても噛みついてきても屈しない!痛みなど忘れてとにかくセーニャはナイフを振り回した!
セーニャはとにかく、気力で相手を圧倒した!
窮鼠猫を嚙む、とはこのことだろう。戦闘能力としては相手が上なはずだったが、セーニャは根性だけで相手の体力を削りきり、打ち負かしたのだった。
2匹のももんじゃは力尽きて、小さな宝石に変わる。
セ「はぁ、はぁ、やっつけた・・・!」
戦う意思を持つなら、どうにかなるのかもしれない。
こんなにか弱い、戦い方も知らない、ちっぽけな12歳の少女であっても。
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