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エピソード73『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』

エピソード73


ややもうろく気味な婆さんの言葉を鵜呑みにしても大丈夫だったのかな、と一行は少し不安だったが、北に数日走ると城下町はあった。


―グランバニア―

これまで見てきた城下町に比べると規模が随分小さい。しょぼいとも言えるし、素朴だとも言える。この国に観光に来てどう評価するかは、意見が大きく分かれそうだ。

町の人に挨拶すると、

町「やぁ、こんな田舎の国に何しに来たんだ?」と自虐的な会釈が返ってくるのだった。

何かめぼしいものはないかなと歩いていると、威勢の良い掛け声が聞こえてくる。


「いらっしゃいいらっしゃい!グルメさんはよっといで!

 エンドール名物の豚骨醤油ラーメンのお店だよ!

 世界一美味しい料理がなんと1杯6ゴールドだ!

 安くて美味いのサンチョ食堂は今日も健在~!」

そして掛け声につられて人だかりが出来ている。


な「えぇ~!豚骨醤油ラーメンだってぇ!!」

ア「なんだ、なな知ってるのか?」

な「知ってるも何も、エンドールにいた頃はよく食べたよぉ!

 ホントに美味しいラーメンなんだぁ♪」

ア「そもそもラーメンて何だよ?」

キ「エンドールのパスタのことね」

な「食べてみようよ!」


一行は行列に並んでみた。

ア「えーなんだよこれ!

 ご飯食べるのに外でじっと待ってろって!?」

な「10分くらい並んで待つのも豚骨ラーメンの儀式の1つなんだよぉ!」

ア「ふーん。まったく理解できないや(汗)」


ようやく一行も店内に入ることが出来た。

店内の壁を見渡すと、色々とお品書きが書かれている。どうも普段はラーメン屋ではなく、この国の庶民的な日常食を提供する食堂であるようだった。

ついにラーメンとやらが運ばれてくる。

ア「ごくり。食べ物を前にこんなに緊張したのは初めてだぜ!」

ななとゆなはアミンのリアクションにじっと注目している。

ア「いただきまぁーす」アミンはエンドールの国の作法で、とても礼儀正しく手を合わせた。


ズルズルズル~、

もぐもぐもぐ・・・


な「どう??」

ア「う、う、美味い~~!」

アミンは目をハートにしてその美味しさに興奮した!


ズルズルズル~

もぐもぐもぐ・・・

アミンは必至で食べている!

キキも美味しそうに豚骨醤油ラーメンを堪能している!


ア「なんでこんなに美味しいんだ!?」

な「美味しいからだよぉー♪」

ゆ「10時間も20時間も、じっくりスープを煮込むからすごく美味しくなるみたい。

 それなのに600円・・・6ゴールドくらいの安い値段で食べられる店が多いから、エンドールではちょっとした国民食になってるわ」

キ「20時間も!?

 普通、そんなにじっくり煮込んだブイヨンを使ったら、2000円くらいはとるはずよ!

 それが6ゴールドで食べられるって、本当なの?」

な「ラーメン屋さんってね、朝はやーくからお店に来てスープを仕込んでるんだよ」


ア「うーん美味ぇ、おかわり!!」

すると店の若い女性が言った。

女「おや?おかわりっていうか、『替え玉』でよろしくて?」

ア「替え玉って?」

女「麺だけを茹でてそちらのスープに入れてあげますよ。

 替え玉だったら1ゴールドです。

 普通におかわりだったら6ゴールド頂戴しますけど・・・」

ア「えぇ!たった1ゴールでおかわりさせてくれるの!?」

アミンとキキはさらに驚いた。


美味しいラーメンを堪能して、一行は店を出た。

ア「いや~世界一美味しいってのもまんざら嘘じゃないな!」

ゆ「世界一なんて、決められやしないことだけどね」

ア「そうだけどさ。まんざらでもないよ♪」

な「アミンが豚骨醬油ラーメン気に入ってくれてよかったぁ♪」


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