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エピソード81『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』

エピソード81


やがてアララト山に到着する。

ハグリッドの示しのとおりに、鍾乳洞を見つける。特に隠されているものでもない。

しかしその時、別の穴から逃げ帰ってきた兵士団たちに、一行は見つかってしまう。

新しい兵士長は、敬意を示しながらも毅然として言った。

新「ハグリッド兵士長!

 なんだお前たちは!!兵士長に何をする!」

ゆ「私たちはハグリッドさんの病気を治そうと・・・」

新「無礼な真似をよさんか!

ハ「いいんだ!私が頼んだ!」

新「しかし!どこの馬の骨かもわからぬ者に!

 しかも洞窟の奥に兵士長を連れ去って何をするというのですか!!」

ハ「いいんだ!私が頼んだ!」

新「兵士長!

 またも百の頭脳が兵士長に反対しております!この国は民主主義の国!

 そして私たちは兵士長の命を守りとう・・・」

ハ「静かにしたまえ!

 民主主義は大切な思想。それは重々わきまえている。

 しかしここは、私の言うとおりにさせてもらおう。

 今度こそは、私の『考え』のとおりにさせてもらおう!

 それは、この国を守るためだ!!」

新「兵士長!」

ハ「私に逆らうものは・・・

 今ここで、斬り捨てる・・・!!」

すさまじい目力でそう言うと、ハグリッドは病の体をよろよろと起こし、立ち上がった!

そして重厚な剣をよろよろと構えて、虚勢いっぱい戦意をみなぎらせた!

新「兵士長・・・・!!」

誰も、ハグリッドに斬ってかかる者はいなかった。

病のハグリッドになら、勝てうる者はいたはずだった。しかし誰も剣を構えはしなかった。



兵士団たちは去っていった。

一行は鍾乳洞に入り、少し奥まで下っていく。急速に涼しくなった。

ゆ「この辺でいいわ」

4人はハグリッドを馬車から降ろす。布を何重にも敷いて寝床を作った。

ハグリッドはしばらくはぁはぁと息を切らしたが、姿勢が安定するとやがて脈を落ち着かせた。

ハ「気持ちいい。涼しくて気持ちいい・・・。

 体の火照りが冷めていくよ」

ゆ「はい。病が何であれ、体が熱いときはまず冷ますべきです」

ハ「薬草の効かぬ病があるのか・・・?」

ゆ「わかりません。どこかの薬草なら効くのかもしれませんが。

 薬を使わずとも、魔法を使わずとも治る病も、あるのかもしれないです」

ハ「・・・!!」


ハグリッドはやがて、眠りに落ちた。

ハグリッドは、夢を見た。子供の頃の夢だ。

彼は子供の頃、友人たちと時々この鍾乳洞に遊びに来た。

ここが夏でも涼しい場所であることを知っていた。

棒切れを持って洞窟のコウモリと戦うだけでも、ロマンは満たせることを知っていた。

ハグリッドは、子供の頃の様子を、幾つも幾つも夢に見た。


一行は洞窟のすぐ外に焚き火を張り、ハグリッドと焚き火を見張りながら2日間、ここでじっと看病をした。

そして、ハグリッドの奇妙な病は回復した!!


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