エピソード90
シュウゥゥゥゥゥ!
大臣の体が、妙な音を立てて煙に包まれる!
チ「ひぃぃぃぃ!!」チャゴスは慄(おのの)いている。
れいは振り返り叫んだ!
れ「王様!他の冒険者に加勢を要請くださいませ!!」
王「なんと!わかった!」
王は城門に駆け戻り、大声を上げた。
・・・シュウゥゥゥゥゥ!
なんと、大臣の正体は魔物だった!
ボストロールが現れた!
大きなこん棒を持った、大きな太った怪物だ。
チャゴスは一人、一目散に城へと逃げだした。
しかしもう誰も彼を咎めようとはせず、眼中にもない。
れいとサーヤが目で牽制をしている間に、城から冒険者たちが駆け付けた。
そこそこの強さを持った冒険者が20名ばかりもいる。近衛兵も充分に戦える。ボストロールは強かったが、皆の協力によってやがて討ち倒された。
れいからすれば、様々な冒険者の戦い方を間近で拝めたことは、勉強にも刺激にもなった。
王「ま、魔物が城に紛れ込んでいたとは・・・」
れ「いつから大臣の様子がおかしかったか、記憶はございませんか?」
王「いつからかは見当も付かぬ。
昔は、戦いたがらぬチャゴスに対して何も言わなかったものだが・・・
洗礼の儀に前のめりになったのはほんの最近だ。すると魔物に入れ替わったのも最近か」
すると、いつも王の傍にいる近衛兵が口を挟んだ。
近「いや、そうとはかぎりません。
チャゴス王子を戦えない大人に育て上げることが、ずっと昔から計画のうちだった可能性も考えられます」
王「何のために!?
大臣はこの国が強いことを、発展していくことを誰よりも熱望しておったぞ」
近「・・・・・・」
れいは口を開いた。
れ「余所者にしか出来ないことが、用心棒以外にもう1つ見つかりました。
どうかご無礼をお許しください。
世襲にこだわるのは、およしになられたらよいのではないでしょうか」
王「ううむ」
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