episode65 『王と悟り』
episode65

近くにも城の兵士らしき男がいる。話を聞いてみよう。
ソ「あのう、ホリディさんは将軍に向いていないんですか?」
兵「えぇ?オレはホリディさんでいいと思うけどな。他に誰もいないだろ?
元将軍さんにはこの国は任せられないし、早く後釜決めたほうがいいよ」
ソ「将軍さんはなぜ居なくなったんですか?」
兵「えぇ?そんなことオレに聞くなよ。
衛兵の口からは言いづらいことがあるってもんだろ」
ソ「そうですか、すみません」
ソロは店を出た。もう少し事情聴取が必要だ。兵士じゃない者がいい。
噴水の前に座り込んで酒を飲む男たちがいる。
ソ「あのう、ホリディさんは次の将軍になりますかねぇ?」
男「あぁん?あんな奴将軍にしちゃいけねぇぜ!」
ソ「そうなんですか!どうして?」
男「あいつは徴兵令を敷きたがってるからな!国の男は全部兵士にしようとしてんだよ!たまったもんじゃねぇぜ!」
ソ「なるほど!」わかりやすい話だ。
ソ「つまり、前の将軍さんは徴兵令なんか言わなかったのですね?」
男「そうだよ。グレイグはむしろ、自分一人で魔王を倒すって言ってたくらいさ!頼もしい男だよ。実際メチャクチャ強えしな!」
ソ「兵士はグレイグさんを嫌ってて、街の人はグレイグさんを慕ってる?」
男「そりゃそうだよ!グレイグは町民のヒーローだぜ。何度助けられたか!」
ソ「でもどうして兵士はグレイグさんを嫌うのですか?」
男「グレイグは、王様に反発して辞めてったんだよ。謀反だよ謀反!
兵士ってのはさ、王様に忠実でなきゃ話になんねぇだろ?」
ソ「強いけど、悪い人なんですかグレイグさんは」
男「違ぇよ!グレイグは英雄さ!」
ソ「あぁそうか。でも王様には逆らった?」
男「王様は、元々は魔王に対抗するために戦力を鍛えてきたんだよ。
でもなんかいつの間にかにさ、隣国に攻め込むだの領土増やすだの言うわけさ。
グレイグはそれが嫌だったんだ。領土なんか増やす必要ないし、国と国がケンカする必要ないだろってね」
ソ「そうか!グレイグさんは悪くない!」
男「町民は大抵そう思ってるよ。領土の拡大なんてまったく必要ねぇぜ」
ソ「だから、おじさんはホリディさんに勝ってほしくない」
男「そりゃそうさ」
ソ「でもおじさんも強そうですけど、オーディションに出たりしないんですか?」
男「オレもちょっとは強いけどよ。勝ち目はねぇよ!
絶対不利な仕組みなんだからさ」
ソ「というと?」
男「まず、参加者同士で決闘するんだ。それで勝ち抜いた奴がホリディと決勝戦さ。ボロボロの体で決勝戦やって、勝てるかよ?」
ソ「出来レースだ!」
男「そうだよ。ホリディも王様もそれでいいと思ってんだろうよ。
国民を納得させるために、いちお試合を開くんだよ」
ソ「でもじゃぁ、参戦者なんかいないんじゃないですか?」
男「少しは居るようだぜ。名を上げたい奴が居るし、無謀なバカもいるんだよ。本気でホリディを食い止めたい奴も少しは居るだろうしな」
ソ「ホリディさんを勝たせたらマズいんだ・・・!」
男「そうだよ。それだけは確かだ。
あんた戦ってくれんのか?」
ソ「いやあぁ僕は・・・」
男「盗賊だろ?姑息な手段で一発逆転ってな!
わっはっは!期待してるぜ!」
ソ「はっ・・・!」
ソロはにわかに興奮してきた。
結構重要な世直しに見える。おまけに武器が手に入るかもしれない。普通に挑んでは勝ち目がないが・・・でも、ソロはこの数日で、リンガイアの盗賊やローラやヤンガスのしたたかさを学んできた。
ひょっとして、何か出来ることがあるのではないか・・・!?


