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episode67 『王と悟り』

1 日前
読了時間: 5分

episode67


翌日。

城の裏の闘技場に、参加者たちは集められた。

大勢の観客も集まっている。この決闘は国民にとって、色々な意味で目が離せないようだ。

参加者は10人ほどいるようだった。やはり、その全てに勝ち抜いてからホリディと戦うのは無理がある。

王が何やら音頭を取り、戦いのルールなど説明する。皆緊張の面持ちで聞いている。

王「・・・というわけだ。

 とにかく命を奪うまで戦う必要はない。降参をすれば負けである。

 何か質問はあるだろうか」


すると、ソロはするすると前に出た。

そしてなんと、勇ましく演説を始めた!

ソ「皆の者!少し時間をくれたまえ!」ソロらしくない口調である。

衆「ざわざわ。何者だ!?」

王「おい、そなたは」

しかしソロは、王にすらも毅然とした態度で手を掲げ、黙ってその言葉を制止する。王は思わず飲み込む。

ソ「私は何者か?遥か東、カレンの国から参った。

 カレン国の自衛隊、その作戦司令官にして軍の最高責任者だ!」

衆「作戦司令官だって!?」

衆「他国の将軍ってことかよ!?」

ソ「この国を助けるために参上した。

 ホリディ氏に勝って私がこの国軍の指揮を執ろう」

衆「何だって!?他国の奴が!?」

ソ「心配するなかれ。ちゃんとルールに則る。

 率直に言って・・・私は強い。

 一国の軍を束ねる者だが、さて、参加者の皆は私に勝つ自信があるのか?その上でホリディ氏と戦う体力があるのか?

 私は自衛の隊の長。無駄な殺生は好まない。民を守るために知恵と腕(かいな)を振るうのみ。

 自信のないものは辞退を願う。無駄な流血は避けようではないか。この国のために!」

衆「なんなんだ!?」

衆「何言ってんだ!?」

王「おいそなた!勝手にルールを決めるでない!」

ソ「いいえ王よ。私はまったくルールに触れてはいない。

 無駄な流血を避けているだけです。

 不戦敗は負けではありませんか?不戦勝は勝ちではありませんか?貴重な兵士を傷つけないほうが良いのではありませんか?」

王「そうじゃが・・・しかし、」

ソ「王よ。闘牛の熱闘に狂酔したいのですか?

 それとも相応しい将軍を決めたいのですか?貴重な兵士を傷つけてでも、闘牛に狂酔したいのですか?今一度、国民の前で宣言してください」

王「しょ、将軍を決める会である」

ソ「えぇそうです。

 王よ、国民よ。貴重な兵士を相討ちで失ってよいのだろうか?

 中途半端な強さなら、辞退を願う。

 私の主張は以上。では決闘を始めようじゃないか!

 王よ。号令を頼みます」

衆「ざわざわ。ざわざわ」

王「で、では、決闘の志願者は改めて前に出たまえ」

すると、


シ――――――――ン・・・


なんと、誰一人動かないのだった!

上手くいった!ソロは心の中で深く深く安堵した。ソロは心の中で、ローラに大きく感謝した。


ソ「では決勝戦と参りましょう。

 ホリディ氏、あなたの相手は私が務めます」

ザっ。

ホリディは逃げも隠れもせずに舞台の中心に躍り出た。

ガンディーノの兵士長ホリディ 『王と悟り』
ホリディ

ホ「こないだの食堂の男じゃないか。

 とんだタヌキめ。俺がホリディと知りながら話し掛けてきたのか。悪い趣味だ」

ソ「何を考えているか、すべてを打ち明ける必要もないでしょう。

 私は策略家ですが、どうします?あなたも辞退をしますか?

 それが一番よいのですが」

ホ「そんなはずはなかろう!」

ソ「ははは。カリカリして。もう欠点を見せましたね。

 では決闘を始めましょう。

 準備はよろしいですか?」

ホリディは王のほうを見やる。

王「で、では、決闘はじめ!」



ジャキン!

なんとソロは、手持ちの武器の中から《青銅の剣》を選んで抜いた。

ホ「《青銅の剣》だと?お前の国は原始時代か?

 くっくっく、吠え過ぎだ!」

ジャキン!

ホリディは100倍も高価な立派な剣を抜いた!

ホ「稽古を付けてやろう!

 はぁーーーー!」

ホリディは自分からソロに斬りかかった。

ガシャンガシャン、立派な鎧は装甲が厚いが、しかし俊敏性の邪魔をしている。

ソロのほうが素早い。逆に相手の間合いに飛び込んでいき先に剣を振るう!

衆「速いぞ!」聴衆はソロの素早さに驚いている。

カキン!

ソロの太刀をホリディが受け止める!

カキンカキンカキン!小競り合いで互いに様子を伺う。小競り合いというか、ソロに剣豪の太刀筋を受け止める技術はないので、自分から間断なく攻め入る一方である。周りには小競り合いに見える。

しかし!

ホ「ふん!」ホリディは力強く剣を払った!

すると!

パキーン!なんとソロの《青銅の剣》は折れてしまった!

ホ「はっはっは!呆気な」

ホリディが高笑いで油断を見せたその瞬間!

ソ「《銅の剣》!」ソロは今度は《銅の剣》を具現化し、すかさずそれでホリディの左膝を撃った!

ホ「うっ!」

衆「最初の一撃はヤツのほうだぞ!」

衆「おー!ざわざわ」

衆「やれやれぇ!」

ホ「少々驚いたが、《銅の剣》もボロボロ。本当に原始人だな」


ソロはホリディを振り返り、そしてニヤっと不敵に笑った。

ソ「勝ちました」

ホ「なにっ!?」ホリディは焦る。

ソ「あなたは圧倒的に鈍(のろ)い」

ソロはまた素早くホリディに駆けこんでいく!ホリディはソロの自信に気圧されている!

ソロは《銅の剣》を肩の上から槍投げのように構える!

ソ「はぁぁーーー!」

衆「なんだあの剣技は!?」

ホリディは見慣れぬ構えの剣技に太刀筋が読み切れないが、とにかく剣を構えて裁こうする!

が!

びゅっ!

なんとソロは、《銅の剣》を槍のように投げつける!

わずか1メートル、真正面から点で来る軌道を、ホリディは剣で受け止めようもない!

ガン!ホリディの胸に《銅の剣》の切っ先が当たる!

ホ「ぐっ!こ、これしき!」ダメージは大きくないがホリディの動揺は増す!

ホ「お前は丸腰だ!」剣を投げたソロはもう敵ではないと見える。

が、ソロは動じずさらにホリディに駆けこんでいく!

左脇の鎧の隙間に手を伸ばすと・・・

ソ「《ベギラマ》!!」炎の魔法をホリディの鎧にぶち込んだ!

衆「おぉーー!!」

衆「魔法まで使いやがる!」

ホ「ぐぁー!!」ホリディは倒れ込み、熱さに藻掻いている!

ソ「《ホイポイ》!

 鎧の装甲には剣よりも金槌!!」

ここで最も攻撃能力の高い《大金槌》を具現化させる!それを両手で握って思いきり飛び上がる!

ソ「うぉーーーーー!!!!」



「そこまでだ!!!」



会場をとても大きな声がつんざいた!

ソ「はっ!!」ソロもそれに気圧されて攻撃をやめる。

グレイグ非武装版 『王と悟り』
グレイグ キャラデザ by 絵夢さん 非武装版イラスト by 生成AI

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