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episode88 『王と悟り』

4 分前
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episode88

神官ハーゴン
神官ハーゴン

ソ「そしたら、王様に謁見するアイデアは何かないでしょうか?」

ハ「そうですね。

 『壁の修復を担う工事の者だ、安く引き受けるがどうだ』などと言えば謁見くらいは叶うと思います。あなたは体が大きいですから、それらしく見えます」

ソ「あははは、まだまだ木こりのフリだ!」

グ「鎧を着ないほうがよいな、まだ」

ソ「ありがとうございます。神官様」


すると、ピュアリや巫女たちが2人に駆け寄ってきた。

ピュアリと神殿巫女たち
ピュアリと神殿巫女たち

ピ「旅のお方!

 アテナお姉さまは元気にしていますか?どんなご様子でしたか?」アテナのアロエを渡した娘だ。

ソ「あぁ、えぇっと。

 グレイグさんが話して?」

グ「なに?うーむ」

どんなご様子かは、2人にはよくわからなかった。あそこに居たのはシリウスが憑依したアテナであって、アテナ本人の感情はわからない。

グ「元気にしているようだったよ。

 古い本を読んで、落ち込んだ心を持ち直したと言っていた。

 神殿にたくさんのアロエを植えているのだ。だから寂しくないようだぞ。

 アロエのお土産をとても喜んでいたよ。心が温まるとね。そなたは良い提案をしたな!」

ピ「そうですか!ありがとうございます!」

ソロがグレイグに説明させたのは、何と言えばよいかわからなかったからだけではない。グレイグと巫女に会話をさせたかったのだ。この大男は心優しいぞ、と。



2人はオリンピアの城へ向かった。

「外壁や家の修理をする者です。民がスポーツをしている間に修復を請け負います」と話すと、アポがなくとも番兵は2人を中へ通した。そして王に話が通る。


王の間に辿り着く。

王「外壁工事の営業じゃと?」

ソ「えぇ王様。中央の宿の屋上から、拝見しましたよ。

 川のところの城壁が大きく崩れておりましたね。あそこから魔物が襲ってきたらどういたします?」

王「しかし我が城は結界で守っている故、少々の綻びは・・・」

ソ「おっと、王様。

 お顔にゴミがついておりますが?

 いえ、鏡がございます!」

するとソロは《ラーの鏡》を取り出して王の顔面にかざした。

王「何?何も付いておらんではないか」

ラーの鏡は何の反応も示さない。

ソ「あぁ、上手く落ちたようですぞ!

 ちなみに王様、この鏡は希少な骨とう品でして、非常に価値があるのですが」

王「失せろ!失せろ!

 誰じゃこんな輩を通したのは!!」

2人は早々に王の間からつまみ出された。


ソ「はー上手くいった。王様、魔物じゃなかったですね」

グ「そなた、随分と役者だな!先日の決闘の場といい・・・呆れを通り越して感心してしまうぞ」

ソ「あはは。そう上手くはないんですよ。妹には怒られてばかりでした」

グ「なに?」

ソ「僕の妹は芝居好きでね。子供の頃から、絵本を読むのによく芝居がかったやつに付き合わされたんですよ。照れくさくてかなわなかったんですが、こんなところで役に立つとはね!ははは」

グ「人生とは数奇なものだな」

ソ「あの王様は魔物じゃなかった。けど精神のねじ曲がった人だ、そういう結論ですね」

グ「よし、次に行こう」


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