エピソード11 『沖縄クロスロード』
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- 2023年3月14日
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エピソード11
翌朝、8時に起きて朝食を摂った。
さぁ、今日はどうしよう?
今回の沖縄では、主にビーチでくつろいでいようと思っていたんだけど、
あのビーチに再び繰り出す気に、はとうていなれなかった。
もう2度と、エグザイルには会いたくない。
幸い、ほど近いところに「せーふぁ御獄(ウタキ)」という観光地があった。
このホテルからバスで10分くらい。
それならキャリーバッグ転がしながらでも行けるよね♪
と目論んだのだけど、バス停からせーふぁ御獄までが、けっこう遠かった。
10分くらいは歩くかな。
せーふぁ御獄は、いわゆるパワースポットというやつです。
沖縄最大の聖地であるらしい。神が天降(あまくだ)った地とかなんとか。
世界遺産でもあるらしく、観光客が大勢来ています。
入場料を払うと、
最初に、プレハブ小屋みたいなところで説明ビデオを観ます。
「ここは聖域ですから、悪ふざけはしないでくださいね」
とかなんとか、言ってたと思う。
それが終わると、散策がはじまります。
山に拓かれた小道を、足元に気をつけながら歩きます。
道は不規則に曲がりくねっていて、軽く冒険キブン。
ところどころに拝所があります。
拝所は、自然地形をそのまま利用していたり、ちょっと大岩をえぐった程度なので、
説明の看板を見ないと、パっと見では何なのか、よくわからない感じ。
でも、自然地形であるがゆえに、独特な厳かさがあります。
マリもヒヨリも、拝所の前にさしかかるたんびに「体がポカポカする!」
と奇妙なことを言います。不思議なことってホントにあるんだね。
ユカは、ポカポカとかはよくわからなかったけど、
木立の中を散策するだけでも、気持ちよくて楽しかった。
レジャー施設ではないんでしょうけど、地味に楽しい!
そして、15分ほども歩いたかしら。
一番奥にたどり着く。
パンフレットのトップ画像にもなっている、三角岩のところ。サングーイ。
岩のトンネルをくぐると、その先に小さな拝所。
そこは海岸に突き出していて、彼方には久高島が見えます。
久高島もまた、「神の島」といわれるようなところで、
このせーふぁ御獄と深く関連しているんだそうな。
ユカたちは、他所のガイドさんの説明にこっそり耳を傾けながら、
遥か遠い久高島を、ぼーっと眺めていました。
「神の島かぁ。ニライカナイのことかなぁ?」
そんなこと話しながら。
そして、
団体客がいなくなって、静寂が訪れた瞬間…
「きた…」
ヒヨリが突然、何やらつぶやきはじめたのです!
「は?何??」ユカはツッコむ。
「きた…。きた…。」
「おーい?ヒヨリ姫?ごきげんうるわしゅう??」
「…あれぇ?え?
誰か何か言った??」
ヒヨリは目をぱちくりさせる。
「それはコッチのセリフよ!
ヒヨリ今、何をぶつぶつ言ってたの??」
「あれぇ?ユカでもマリでもないの??
誰かが、『きた』って…」
「誰も来てないよ?」ユカとマリは辺りを見回す。
見計らったかのように、今は誰も来ない。
また、ヒヨリがつぶやきはじめる。
「違います。北。ノース。北に行きなさい。あなた方3人で、北に行きなさい。
結ぶのです。結びなさい。今はそれしか言えません。」
口調が違う。ヒヨリの口調じゃない!
「あんた、何言ってんの!?」
何なの?これは!
「えー?ヒヨリ、しゃべってないよぉ!
しゃべったけど、しゃべってないけど…」
「
ひょっとして、霊感ってやつじゃないの?
信悟さんが何か言ってたじゃん?」
マリは冷静に状況を見ている。
「じゃぁ、何?
今しゃべったのは、神様だっていうの!?」
霊感とかいうのは、ユカはよく知らない。ホントにあるの?
「神様かどうかは知らないけど…
天使か…火の玉か…幽霊か…そういうヤツ?」
マリも、よくは知らないようだ。
「えー!幽霊だったらどうすんのー!?
ユカたち呪い殺されちゃったりしてー!?」
『沖縄クロスロード』



