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エピソード11 『自由の空へ』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年3月18日
  • 読了時間: 3分

エピソード11

「ほらぁ、しちゃえば?エッチ。

 あなたたち、お似合いだと思うけどなぁ♪」

ゆうこさんは、私のわき腹をイタズラっぽくつついてくる。

「そ、そんなことより、

 どうしてゆうこさん、彼にナンパをけしかけたりしたんですか?」

私はまず、そこに興味があった。

「あぁ、そこ、気になるわよねぇ。ウフフ。

 彼はもともと、恋愛は受け身なタイプなのよ。草食系男子。

 性欲は強いみたいだけど、自制心はもっと強いわ。

 彼の受け身スタンスには、明確な持論があるのよ。

 『男の性欲は、女を傷つけることがあるでしょ?

 だから、恋愛は女から誘われるのを待つべきだよ。それなら女は傷つかない。』

 私、それ聞いて感心しちゃったわ!

 こういう優しい男子にこそ、女は群がるべきよね。

 でもね?彼がそんな紳士な美学を貫いてても… 

 女の子たち、ぜんぜん彼に寄り付かないのよ。

 けっこうモテるはモテるんだけど、

 でも彼、口説かれたりはしないの。ベッドに誘われたりはしないの。」

「どうして?」

「どうしてだと思う?私もフシギでしょうがなかったわ。」

「…うーん。わかりません。」

「いまどきの女の子たちってさ、

 引っ込み思案なのよ。亮くん以上にもまして、受け身なの。

 恋愛には興味あんのよ?せっせと着飾って唇ウルウルさせてんだから。

 セックスも好きなのよ?浮気も不倫も罪悪感もってないし。

 でも、それでも、自分からはアタックしないのよ。

 あくまで、男に口説かれるのを待ってんの。

 みーんな、そうなのよ。今の若いコ。

 私らが若かったころは、もう少し積極的だったけどなぁ。」

「えー?恋愛に興味薄いからじゃないんですか?

 『ナンパ男がウザかった!』とかって、

 学校の友達も、よく嘆いてますよ?」

「ウフフ。女って身勝手よねー!

 『ナンパ男』と『白馬の王子様』って、紙一重なのよね。

 声掛けてきたオトコが好みのタイプなら、

 それがどんなに図々しいアプローチでも、『白馬の王子様』なのよ。

 声掛けてきたオトコがブサメンなら、

 それはもう何であれ、『ウザいナンパ』なのよ。」

「………。」そのとおりかもしれない。


ゆうこさんは、興奮気味に続ける。

「っていうかさ?

 ナンパって、ある意味じゃぁ奉仕みたいなモンよ?

 ありがたいものなのよ。女の子たちにとっては。」

「へ?奉仕?どういうこと!?」

ゆうこさんの話は、予想外の連続だ。

「だってよ?あなた、

 女子どもは、自分からは勇気なくてアタックできないのよ?

 それでもし、オトコたちもみんな、亮くんみたいに受け身だったら…

 女の子たちは、一生セックスにありつけないのよ?

 欲しくて欲しくてたまらない大好物のセックス、手に入らないの。

 オトコどもが半ば強引に押し倒さないと、

 女の子たち、セックスがはじめられないんだから。

 であれば、

 ナンパしてきてくれるオトコに、文句言えなくない?

 むしろ、感謝だったりもするんじゃない?」

「なるほど…」

「だから私、亮くんにけしかけたのよ。

 『アンタみたいなイケメン紳士がナンパしたら、

 オナゴたちはハッピーになれるぞ!』ってね。

 『ちょっと強引でもいいから、女のコを口説いておいで』って。

 それは、あの子の生真面目さを打ち壊す目的もあったんだけどさ。」

「そっか。そういう経緯だったんですね…」

ようやく全てが、腑に落ちたような気がした。


『自由の空へ』

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