エピソード12 『真理の森へ』
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- 2023年3月19日
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エピソード12
私はその晩、いきなり驚かされました!
驚いただけでなく、どこの国に居るんだかわからなくなってしまった!
カティ宅ではなんと、
ベッドが無く、代わりに、日本式の布団を敷いて寝るのです!
「どうして!?」私は尋ねました。
「うふふ。簡単よ!
西洋式のベッドよりも日本式のフトンのほうが、使い勝手が良いんですもの♪
まず、何といっても寝心地が良いわ。
この、重さ5kgの厚めのタイプのシキブトンは、
人間の体にジャストフィットね!硬すぎず、柔らかすぎず。
西洋のマットレスは、たいてい柔らかすぎるわ。腰が沈んで腰痛になっちゃう。
スプリングはギシギシうるさいし。セックスのときにも困っちゃう!うふふ。
それに、フトンの場合、
しまえば部屋が広く使えるでしょう?これは画期的よ!
ベッドっていう固定された寝具は、横着者が考え出したのね、きっと。
日本人は、毎朝毎晩フトンを出し入れするから、勤勉なのよ。」
「そんな、大げさなぁ!」
「いいえ?人間性って、そういうことの積み重ねなんじゃないかしら?
フトンの利点は、まだあるわ。
ヨガ・マットとしても、スペシャルなくらいに役立つわね!
普通のヨガ・マットは薄すぎて足腰が痛くなるけど、
シキブトンの場合は快適だわ♪
…こんなに便利な寝具が、70ユーロで買えるのよ!
70ユーロって言ったら、ベッドの1/10の安さよ!
日本人はどうして、フトンを使うのを止めてしまったのかしらね!?」
「どうして止めてしまったんだろう…」私も本気で疑問に感じました。
「うふふ。欧米への憧れが強すぎるんでしょうね。
憧れが過剰すぎるものだから、
質の良し悪しなんておかまいなしに、西洋のモノに飛びついちゃう。
もったいないわ。
日本には、良質な文化がたくさんあるのに!」
カティは、「心底!」と言わんばかりに、肩をすぼめる。
「なんだか、
私よりもカティのほうが、日本の良さを知ってる気がする…」
私は恥ずかしくなって、マクラで顔を隠した。
(そう。マクラまでもが日本のそばがらマクラなのだ!)
「うふふ。そういうものよ!
自分の国のことって、外側から眺めて初めて気付いたり、するのね。
ヨーロッパは陸続きだから、海外旅行が簡単なの。
テレビや新聞で、たくさん情報が入ってくるしね。
だから、自国を客観視する機会も多いのよ。
でも日本は島国でしょう?
海外旅行が難しいし、外国人も入って来づらいから、
自国の客観視が難しいのね。」
「それにしたって、
敷布団使ってるフィンランド人って、そんなに多くないでしょう?」
「うふふ。そうね。
私とアンティは特に、日本への関心が強いわね。
だから、日本人の留学生を受け入れるわけだし♪
留学生が泊まっていなければ、旅行者を泊めることもあるのよ。」
『真理の森へ』



