エピソード23 『ミシェル2 -世界の果て-』
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- 2023年3月24日
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エピソード23
やがて私は、眠くなってきてしまった。
寒くて臭くて、お尻が痛くて、眠れやしないんだけど、でも眠いの。
眠くなると、余計に寒くなってくる。
私はパーカーのフードもかぶって、ますます小さく縮こまる。
お尻の痛さがガマンできなくて、眠くて筋力が働かなくて、
私はついに、床に寝そべってしまう。
この鉄板張りの、冷たい冷たい床の上に。
50年分のタバコとツバで汚く汚れた床の上に。
だってどうしようもないのよ。体はもう動かないし、私に他に場所は無いんだもの。
眠いけど眠れない、眠れないけど眠い、
そんな夢と現(うつつ)の間(はざま)で、私はただただ耐え続けた。
相変わらず幾人もの人がタバコを吸いにきて、空気を汚し、
吸い殻を落とし、下品な音を立ててツバを吐いていく。
また幾人もの人がトイレに入って、バタンと大きな音を立て、臭い匂いを放っていく。
そして、夜中になると益々寒い。風が吹き込んでくるから途方もなく寒い。
こんなにみじめなことってあるかしら。
カイロの安宿より数倍はみじめで、数倍過酷。
私はただただ、一刻も早く朝が来ることを願って、耐え続けるしかなかった。
『ミシェル2 -世界の果て-』



