エピソード29 『ヒミツの図書館お姉さん♪』
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- 2023年3月7日
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高桑さんは、続けた。
「レノンさんは、古藤さんのことを、
とってもとっても、『買っていた』んだよ?
『あの子は、すごい器になるぞ♪』って、
いつも、僕に言ってた。うれしそうにさ♪
だから、彼みずから、
古藤さんに、『英才教育』をほどこしたんだ。
業務内容を教えるだけじゃなくて、
その心構え、スタンス…そういったものもふくめて、伝授した。
『あせらずに、顔をしかめずに、怒らずに仕事をすること』の重要性、
彼から教わったでしょ?」
「…はい。いつも、心掛けています。
他のアルバイト先でも、なるべくレノンさんみたいに振る舞えるように、
心掛けていました。」
「そう!
そういうことなんだよ!
この2年間の古藤さんの『武者修行』も、
レノンさんが施した、『英才教育』の一環だったのさ♪
より大きな器に育ってもらうためには、
古藤さんには、外の世界を、なるべく多く、見てもらいたかったんだよ。
『可愛い子には、旅をさせよ』ってヤツさ♪
…それで、どうだった?
『見識が広がった!』って、感じなかった?」
「メチャクチャ、感じました!」
私は、涙が出てきてしまった。
あのおじいさんは、
なんて広大な視点から、私の人生を捉えていたんだろう…!!
なんて大きな翼で、私を包み込んでいたんだろう…!!
家族でもないのに!?
「そうだろう?
今ごろ、あのおじさん『してやったり♪』って笑ってらぁ!」
私にも、レノンさんのイタズラな笑顔が、容易に想像できた。
想像だけで、私は思わず、笑ってしまった。
余計に鼻が、ぐじゅぐじゅになってしまったじゃないか!
高桑さんは、続けた。
「あの『武者修行』には、2つの意味があったんだ。
1つは、
今話したけど、
古藤さん自身の、成長のため。見聞を広めるため。」
「…まだ、あるんですか?」
「うん。
もう1つは、
レノンさんから学んだその、『あせらず、怒らず』のふるまいや、
キョウコちゃんのステキな笑顔、気持ちの良いあいさつ…
そういったものを、他の業種の人たちに、見せてやりたかったらしい。
つまり、
弱冠19歳にして、『人生の手本』として、
他の業種に送り込んだんだよ♪」
「えー!?
私が、お手本…!?」
「そうだよ!
古藤さんは気付かなかったかもしれないけれど、
実際に、古藤さんの笑顔やふるまいを見て、影響された人や癒された人が、
確実に、居るよ♪
何百人か、何千人かも知れない。
何十万人かも、しれない。客だって、対象になるからね♪
だから、
『普段からの、何気ない行動や表情』
が、大切なんだ。
客の前でだけ、立派なふるまいや営業スマイルをしても、
そんなのは、むしろ『虚偽』だからね(笑)
彼が古藤さんに徹底させたかったのは、ソコだよね!」
『ヒミツの図書館お姉さん♪』



