エピソード3 『沈黙のレジスタンス』
そう。
デニーが教えてくれたことの1つに、それがある。
「考えること」と「悩むこと」の、違いだ。
たとえば、先の話で言えば、
他のみんなは、
「どうせオレらも、15になったら穴掘り遊びができなくなっちまうんだよ!」
と、グチをこぼすだけだ。
「あぁ、どうしよう。
いつまでも子供でいたいのに、いつまでも遊んでいたいのに、
15歳まで、残された時間はあと1年しかない…」
と、クヨクヨ悩むだけだ。
そういう彼らは、チカラを失うし、元気を失う。
でも、デニーは違う。
「どうすれば解決できるか?」を、常に考え続ける。
「15になっても穴掘り遊びを続けられる方法」を考えるし、
「15歳までの1年間で何ができるか」を考える。
1つでもアイデアが浮かんだなら、とにかくそれを掘り下げてみる。
キノコ岩掘るのと同じように、情熱こめて掘り下げる。
そうして掘った穴が、どこか思いがけない隠し部屋に通じていることがある。
そうしたら、問題は解決だ!
解決に至らないにしても、ちょっとは先に進んでいる。
それをコツコツと繰り返していけば、
いつかは問題そのものが、解決するんだよ。
キノコ岩に城を掘るのと同じで、
どれだけコツコツ続けられるかが、重要なのだ。
「考えること」を、止めてはいけない。
かといって、「悩む」のもよくない。全くよくない。
ただ、アイデアは、すぐに浮かんでこないこともあるだろう。
それならいったん、脇に追いやったらいい。それでいい。
ふとした瞬間に、ふっとアイデアが浮かんできたりするだろう。
問い続けることを、やめてはいけないんだ。オーダーを取り消してはいけない。
デニーはあまり、学のある少年ではなかった。
あまり学校には行かないし、あまり勉強が好きではない。
学は無い。が、頭の良い少年だ。頭の切れる少年だった。
頭が切れるかどうかは、あまり学力とは関係しないらしい。
『沈黙のレジスタンス』



