21 空港初体験・その4
21 空港初体験・その4
私は、この文明が進みに進んだ現代日本の、
空調の利いた、最先端の建物の中で、
「自分が絶対絶命のピンチに陥る日」
が来るなどとは、思ってもみなかった…
…仮に、全く同じミスをやらかしたとしても、
そばにお父さんやお母さんがいれば、局面は全く違っただろう。
少なくとも、「帰宅するお金のアテがナイ」などということには、ならないだろう。
しかし、今の私は一人ぼっちであり、
クレジットカードやらキャッシュカードやらを、持っていないのだ。
もし、1ヵ月後だったら、
それも局面はゼンゼン、違った!
雑貨屋さんのお給料受け取りのために、
今週にもキャッシュカードを作成する予定になっていたし、
お給料ももうじき、
4月の分が2万円ほど入る予定だったのだから…
しかし、
ゴールデンウィーク明けすぐに飛び出してきた私には、
キャッシュカードも4月分のお給料も、どちらも、無かった…
私はとりあえず、
さっきの那覇行きのカウンターに、向かってはいたけれど、
その速度は、亀よりも遅かった…。
まだ、行くか止めるか、ためらいがあったのだ…。
頭はまだ、ボーっとしていた。
「打開策を練る」といった余裕は、無かった…
行く…帰る…行く…帰る…行く…帰る…行く…帰る…
私の頭の中で、振り子時計が揺れていた。
帰る…行く…帰る…行く…帰る…行く…帰る…行く…
私の頭の中で、花びら占いが行われていた。
『星砂の招待状 -True Love-』


