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エピソード107『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2024年5月2日
  • 読了時間: 4分

エピソード107


ピラミッドのど真ん中は、大きな口を開けていた。

そしてその前には番人が立っている。

ア「中に入れるの?」アミンが声を掛ける。

番「アッサラームの者じゃないな?一人1000ギルだ」

5人「1000ギル!?」高すぎる!というリアクションである。

ア「ちなみにアッサラームの人間だったら幾らなの?

番「10ギルだ」

5人「ひゃくばい!?」吹っ掛け方が豪快すぎる!!

ゆ「100ギルが適正価格かな、と思ってしまった自分が情けないわ・・・(汗)」

番「とにかく1000ギルだ」番人は、カネを寄こせと手を差し出した。

ゆ「1000ギルは高いなぁ・・・(汗)」

番「嫌ならかまわん。帰りたまえ」

ア「帰りたいって言ってるんじゃないんだよ。高すぎるって言ってんだ」

番「ピラミッドがどれほど神聖なものかわかって言っているのかね?」

番人は相変わらず偉そうに、ためらいもなく胸を張る。

仕方なく一行は、一人1000ギルずつ払うことにした。

するとだ。

番人の横にいた老婆が口を開いた。

婆「おまえさんたち荷物が多すぎるな。わしが預かってやろう。

 預かり賃1人100ギルじゃ」とまた手を差し出す!

ア「なんだよそれ!

 おい番人!こういうのは取り締まらなくていいのか!?」

番「私の管轄ではない」

な「別に荷物が多すぎることもないよ?」

婆「ピラミッドの通路は狭い。荷物がかさばると通行に支障が出るのじゃ。置いていきなされ。

 誰かに盗まれてもいいなら、そこらに置いていったってかまわん」

5人「婆さんが盗みそうー(汗)」

結局、独占的に催されている商売において、大衆はどうしても服従させてられてしまうのだ・・・。


なんだか、「神殿に参拝する」というイメージとはまったく掛け離れた状況に、一同は困惑を隠せないのだった。



預かり賃を払ったからといって荷物を守ってもらえる保証はない、と気づき、一行は老婆の言葉を無視して入口を入っていった。

一本道の通路が続いている。ロウソクによって薄暗い視界は確保されていた。

通路はやや傾斜になっていた。地下へ潜っていくのか?ワクワク。

ずっと一本道かと思ったが分かれ道になっている。一方はさらに下がり、一方は上に向かっている。しかし下への道は柵で閉じられており、上に進めと促されている。ロウソクが灯っているのも上の道だけだ。

ま「下に行ってみたいなぁ」まりんはつぶやいた。

それは冒険心から言っているのか?それとも魂の持つ記憶や直感に基づいているのか?誰にもわからない。

誰も監視する者はいないが・・・どうする?

キ「行きましょ♡」キキはとても短く結論を良い、まりんの背中を優しく押した。

アミンは《レミーラ》のじゅもんをとなえた!辺り一帯に光が灯った!

ピラミッドの通路はときに曲がりくねり、ときに二手に分かれる。洞窟を探検しているような気分にもなる。昔神殿だったという、聖なる奇妙な洞窟だ。

やがて通路は1つの部屋に行きついた!


教室1つ分ほどもあるなかなか大きな空間である。

しかし・・・?

壁には壁画などなく、調度品が置かれていたりもしない、殺風景な部屋だ。もはや独房のようですらある。当然ながら窓はない。

な「何にもないやぁ(汗)」一行は正直に落胆した。


しかし・・・



ま「熱い・・・」

まりんは奇妙なことを言い出した。

ま「熱い?暑い?わかんないけどあついよ」

ア「え、そう?」アミンは、エネルギー的に特殊な場所ならそれなりに察知できる自信があるが。

キ「そうね。まりんちゃんには熱いのでしょうね♡」

ゆ「どういうこと!?」


ブ――――・・・ン


すると、部屋の真ん中に年老いた男の姿が現れた!

?「我が名はマーリン。そなたが来るのを待っておった。

 いいや、来るとは思ってもみなかった。

 まさか、踊り子の人生にすぎぬそなたがこんなところまで冒険してくるとは・・・!!

 私は涙を拭い得ない」

キ「ちょっとお爺さん、前置きが長いわよ!」

4人「失礼だーーーー(汗)」

マーリンとやらは無視して続けた。まりんの目だけを見ている。

マ「『神殿』という言葉を聞き、『懐かしい』と感じたな?

 なぜだかわかるか?

 そなたは昔、他の人生において、この神殿に仕える巫女だった。

 神に舞いを捧げる者であり、神からの天啓を受け取る者だった」

ゆ「卑弥呼みたいなこと!?」

マ「それほど責任ある立場ではないがな。

 跳ねっかえりなのは今も昔も変わらぬ。ははは」

な「神様のお告げをくれるの?」ななは期待しながら言った。

しかしマーリンはななには反応しないようだった。


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