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エピソード109『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』

エピソード109

まりんも含めた一行はとりあえず、アッサラームの町まで引き返すことにした。

ま「次はどこに行こうかなぁ~」

な「結構遠いけど、海辺の村でダンス踊ってる女の子たちがいるよ♪

 なんだっけ、モンバーラー?」

ゆ「モンバーバラ、でしょ。

 幾つも街を経由する必要はありそうだけどね。まりんちゃんが行ったら楽しそう♪」

ま「へぇ~、ありがとう!」

ななやゆなは、自分が旅の情報を「提供する」側に回れたことをとても嬉しく思った。

これまでは人から何かを教わるだけだった。どこに何があるかを教わるだけだった。それがいつしか、広い世界のことを他人にアドバイスできるようになったのだ。もう旅の初心者でもないのかも、とちょっと誇らしくなった。


まりんとも一緒に旅がしたい。ななたちと旅がしたい。とも思ったが、まりんは南下してきた身でななたちは北上する身。どちらかの旅に乗っかると後戻りすることになってしまう。それぞれは名残惜しさを感じながらも、自分の旅路を貫くのだった。


まりんの話では、アッサラームの北側にも小さなオアシスが点在するようであった。一行はそれを渡り継ぎながら次の目的地を探すことにした。



最初に見つけたオアシスはアッサラームよりずいぶん小さい。

宿屋と道具屋しかないような有り様だった。

そしてアッサラームほどではないにしても高い料金をとる。

すでに慣れと覚悟が出来ており、さして押し問答もせずに言い値を払ってしまった。それで良かったのかどうかはよくわからない。それなりに世直しが旅の目的であるなら、ことある事に悪どい商売人たちにクギを刺すことも必要なのかもしれない。しかし押し問答することもくたびれるのだ。魔物と戦うよりはずっと容易なことにも思えるが、同じくらい、それ以上にくたびれるような気がするときもある。


道「可愛いカッコして、妙な冒険者だなぁ」と道具屋は一行に声を掛けた。

ア「ピラミッドが見たくて北上してきたんだ」とさらりと会釈した。

すると、道具屋は興味深いことを言うのだった。

道「ピラミッドって1つだけじゃないぞ。知ってるか?

 この辺にももう1つあるよ。アッサラームのやつよりはずっと小さいがね」

ゆ「そのピラミッドは何のために造られたものなの?」そのピラミッドも神殿だったの?とは聞けない。

道「昔のどっかのファラオの墓だよ。ファラオたちは権力を誇示するためにピラミッドを造らせたのさ。

 だからピラミッドの奥にはファラオの棺が眠っててさ、その周りには王の装飾品やら宝物やら眠ってたりするんだ。

 おっとっと!

 くれぐれも盗掘なんて企てるんじゃないぜ?

 ファラオたちは魔法使いだったんだ。墓を荒らす者たちに祟(たた)りを喰らわすっていうからなぁ!」

ア「祟りだって?そんなのあるもんか」

道「オレもそう思うがね。でもないとも限らんさ。

 実際に行方不明になる商人とかいるからなぁ」

ゆ「砂漠で遭難してしまってるだけなんじゃないの?」

道「そうかもしれないなぁ」


「行ってみるか」

成敗すべき何かがいるような気もする。盗掘がいるなら成敗すべきだし、祟りだと言って侵入者を喰わんとする魔物がいるなら、それも成敗しておいたらいい。

・・・?権力を誇示したがる醜い王の財宝なんて、荒らされてもかまわないのではないか?むしろ盗掘することが醜いファラオへの成敗のような・・・。なんだかよくわからなくなってきたが、まぁいいか。

皆々、そのようなことを頭の中で思い巡らせていた。

ななが口を開いた。

な「ねぇ?昔の王様ってみんな偉い人なんだって、歴史の授業で習ったときには思ってたんだけど・・・

 権力を誇示するために大きなお墓なんか造らせたってことは、そんな王様なんてホントは偉くもなんともないってことなんじゃない??」

ゆ「おおむね合ってると思うわ」ゆなは端的に同意した。


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