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エピソード122『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2024年5月2日
  • 読了時間: 3分

エピソード122


まずは宿を確保しよう、ということになった。

宿も幾つかあるが、大通りから外れて安めの宿を探す。

ア「ちわー、一晩幾らかなぁ?」

宿「いやぁお客さんお目が高いね!

 ウチの宿は街で一番リーズナブルな店だよ!だけど設備はばっちりだ」

ア「ホント?ちょっと部屋を見せてよ」

宿「おやすい御用さ!」

宿主は一行を1つの部屋に通した。なるほど悪くない部屋である。値段の割には上質だ。

宿「ほら、ウェルカムドリングまで付いてるぜ。

 テーブルの上のこのせかいじゅジュース、開けて自由に飲んでいいからな♪無料サービスだよ」

そう言うと自分でビンの栓を開けてしまった。

ゆ「ちょっと!まだ泊まるって決めてないわ」

宿「ところであんたら、ルピーはお持ちかい?」

な「ルピーって?」

宿「この辺の通貨だよ。ゴールドも流通してはいるがね、ルピーのほうがレートが良いよ。

 飛空艇に乗るとか色々お金使うなら、ルピーに換金しといたほうが安上がりになるってもんさ。

ア「あ、そう。そのうち両替え屋を覗いて検討してみるよ」

宿「いやいやウチの宿は両替えサービスもやってるさ!

 ここで両替えしていったらいい!どうだ?何ルピー欲しい?」

ア「あーもうやたらとガメついなぁ!」

な「他の宿を見てこようよ?」

ゆ「そうね」

宿「なに?ここまであれこれ説明させといて泊まらないっていうのか?」

ア「まだ安いってことを聞いただけだよ。キャンセル料にも値しないだろ」

宿「せかいじゅジュース、栓を開けたじゃないか!」

4人「アンタが開けたんだよ!」

宿「失礼な客だな!テパネカの英雄様からバチがくだるぞ!」

キ「行きましょ。押し問答してもムダよ」


一行はその宿を離れ、やはり路地裏に質素めな宿を見つけてドアをくぐった。

ア「ここは一晩幾らかな?リーズナブルなうえに静かだといいんだけど」

宿「はっはっは!向こうのガメつい店主にヘキエキしなさったかな?

 うちはご安心くだされよ。余計な押し売りはしない主義なんだ。

 でも、気を付けたほうがいいよ?

 コスタールの民に逆らうとロクなことにはならない。呪われたって知らないぜ?」

ア「なんだそりゃ。新手の商売トーク?

 ファラオに呪われたってはじき返す一行だからね」

な「なんかここも嫌だなぁ」

キ「もう早速呪われちゃったのかも!ぷぷっ」

一行はここも出た。そして3軒目、4軒目と奥まりながら探し、ようやく手頃な宿を確保した。


一行は食堂に入り、しばし休息することにした。

ゆ「なんか東に来れば来るほど治安が悪くなってるような気がしない?」

な「なんか英雄の呪いとか言ってたよ?」

ア「そうだ。英雄のバチが下るとか、コスタールに逆らうと呪われるとか、妙なこと言ってたな」

ふと視線を起こすと、食堂の壁には身軽な鎧とオノを身にまとった筋肉隆々の戦士が大きく描かれている。

ゆ「この戦士、他のところでも見たような?」

アミンは店主を捕まえた。

ア「おばさん、この絵の戦士って、コスタールの昔の英雄さん?」

女「そうだよ!コスタールの人間はみんな崇めているさ!

 この人のおかげで今もコスタールは黄金都市でいられるんだからね!」

な「黄金都市って?」

女「それは浮き名だけど、経済も科学も、軍事力だって世界一でしょうよ。そのうち政治でも世界統一するんじゃないかねぇ」

ア「この英雄さんは何したの?」

女「テパネカ様っておっしゃるんだよ!」

な「覚えにくい名前だぁ(汗)」

女「テ・パ・ネ・カ・様!

 昔ね、アカステ文明って文明を築いてこの地を発展させたのさ。文武両道の、知将だよ。

 まぁちょっとスパルタだったって話もあるけど、厳しくないと人なんて統率できないでしょねぇ」

1つ情報を手に入れた。


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