top of page

エピソード45『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』

エピソード45


城の中に入ると、応接間の壁には大きな立派な肖像画が飾られている。

な「わーぁ、美しいお姫様!」

兵「我が城の女王様である。くれぐれも粗相のないように!」

ゆ「王様よりも女王様が有名なお城。やっぱ絶世の美女だったりするのねぇ」

女王の肖像画だけでなく、たくさんの美しい絵が飾られている城であった。一行はそれをまじまじと眺めながら玉座へと向かった。

兵「くれぐれも粗相のないように!」

兵士たちはそればかり言うのだった。

3階の奥に、立派な玉座があった。女王はそこに優雅に鎮座していた。

しかし・・・?

どうも、先ほど見た肖像画とは顔立ちが違う。体型も違う。

そうなのだ。貴族の肖像画というのは、実物よりも美しく描かれていたりするものなのだ。

ななはそうしたことを知らず、つい余計なことを口走ってしまった!

な「あれぇ?肖像画の人と違うねぇ」

ゆ「ば、バカっ!」

3人が慌ててななの口を止めたが、もう遅かった。

女「うぬぬぬ失礼な者たちめ!地下牢にぶち込んでおけ!!」


女王とまともな会話をする前に、その目前に、一行は牢屋行きになってしまった!!



ガシャン!重たい鍵が掛けられた。

城の地下にある、堅くて冷たい牢獄だ。4人はここに入れられてしまった。

な「しょぼーん。ごめんなさぁい(泣)」

キ「まぁまぁ、悪気はなかったんでしょう」

な「そうだよぉ悪気はなかったのぉ。

 絵の人のお母さんなのかなぁとか思ったのぉ」

ゆ「はぁあ。どうしたもんか・・・」


アミンは牢をガチャガチャと揺らしたり、壁をドンドンと叩いたりしている。

?「うるさいな。静かにしたまえ!」すると隣の牢から、誰かがアミンをたしなめた。

ア「他にも誰か、捕まってるんだな」

4人は静かにすることにした。しかし音を立てることもおしゃべりも止めてしまうと、牢屋での滞在は一層苦痛に感じられた。どうしよう・・・と途方に暮れたが・・・

ガチャ!

兵「釈放だ。出ろ」兵士はぶっきらぼうに言った。

4人「え、もう!?」

兵「女王様はとても寛大なお方。感謝するんだな」

ゆ「あ、どうも(汗)」

まぁ、大して悪いこともしてないんだよな、とアミンは思ったが、口には出さなかった。

兵「しかしもう二度と玉座には近づかぬこと!

 早々に城から立ち去りなさい!」

キ「あらら。女王様のお役に立つために来たっていうのに、女王様にそっぽ向かれちゃったわ」

一行は肩を落としながら出口を求めた。


いや、早々に出ようと思っていたが、アミンが妙なことを言った。

ア「ちょっと戻っていい?」

アミンは、さっき自分をたしなめた声の主に興味を抱き、隣の牢屋に行ってみた。

そーっと、アミンは牢屋の中を覗きこんだ。

牢屋の奥の小さな机で、一人の男が本を開いている。牢獄らしからぬ風景だ。

?「何用だ」

アミンは気配を出さずに観察したつもりだったが、その男はアミンの存在に気づくのだった。

ア「あ、ごめんなさい。先ほどのこと、謝りたくて」アミンはとっさに弁解をした。

男は本から顔を上げ、アミンを見た。手元のロウソクを掲げてアミンの顔を照らす。

?「おまえ・・・ドワーフか?」

ア「そうです!僕、ドワーフの子です!

 あなたもドワーフでは!?」

?「はっはは。こんなところで同族に会うとは。

 孤独には慣れているはずだが。妙な嬉しさを感じるもんだ」

敵意はないように見える。

アミンも思わず笑顔になった。


ア「どうしてこんなところに?」

今度は、助けてあげたいという気持ちを込めて、アミンは言った。

?「なぁに、人間に迫害されるのは慣れている」

彼はまた視線を本に落とした。

な「女王様にソソウをしたの?」

ゆ「アンタと一緒にしないの!」

?「はっはは!似たようなものだ」

ア「僕はアミン。あなたは?」

チ「私はチャモロ。ドワーフだ」

ア「同族に会えるなんて、僕も嬉しいです!

 出してあげたいんだけど、どうしたらいいかな?」

チ「いいや結構。別にここの暮らしに病んでもいない」

4人「えぇ??」

チ「私は別に、快楽も自由も欲してはいない。

 3食の食事は与えられるし、こうして勉学する自由が与えられている」

ゆ「なんか色々、深そうだわ」

キ「聞かせていただけますの?」キキは巧みに話を促した。

チ「私は魔法の研究家。ドワーフの中では魔法が得意な方と言えよう。

 城の者が興味を持ち、私を囲った。

 しかし女王は、魔法に中毒しすぎた。何でも魔法で楽をしようとした。

 『魔法に依存すると身を滅ぼしますよ』と苦言を呈したら、『うつけ者だ!』と投獄された」

ア「無実の罪・・・(汗)」

チ「しかし女王は魔法を手放したくはなかった。

 だからこの暗い場所で魔法の研究をするように、私に命じた」

な「どんな魔法を研究するの?」

チ「まぁ色々ニーズはあるようだが、上位の攻撃魔法を持ちたいようだ。《メラゾーマ》《マヒャド》その辺のものをな」

キ「魔法の研究家なら、牢屋のカギを開ける魔法を開発して脱走しちゃえばいいのに!ナンチャッテ♪」

チ「とにかく、ここから出たいとは思っておらぬ」

ア「ごめんなさい。余計なお世話ばかりで」

チ「いいや!声をかけてくれたことは感謝している。

 久々に同族に会えて嬉しかった。話が出来て嬉しかった。

 おまえが人間やエルフと仲良くしている様子で、嬉しかった」

ア「ははは。喜んでもらえたならよかった」


最新記事

すべて表示

エピソード158『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』

エピソード158 ドラゴンの姿のキキは世界樹の残骸の上にふわりと降り立った。 3人と馬をそっと地面に降ろす。 そしてすぐに10歳の少女の姿に戻った。 キ「ふぅ!みんなお疲れさん♪」 な「キキちゃぁーーーん!怖かったよぉぉ!!」 ななはキキに飛びついた。 キ「よしよし。よくやったねぇ」キキはななを優しく抱きしめ労った。 ゆ「キキちゃん強すぎ!」ゆなもキキを抱きしめる。 キ「へっへーん♪ だから言った

エピソード157『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』

エピソード157 キキはジロっとエビルプリーストを睨みつけた。 キ「最後はみんなで戦いたいの。協力してくれる?」 3人は力強くうなずく。 キキの背後には、さっきの天使たちが光の粒の姿となってキラキラと輝いた。 キキは両手を構えて魔力を集中させる。 キ「山よ、海よ、花よ、宇宙の無数の精霊たち。そして新たな天使の友人たち。 精霊ルビスの御名の元、今こそ我に力を与(くみ)し賜え。 ただただ不届きものを滅

Comments


bottom of page